キューバ産葉巻販売業者のハバノスS.A.によると、展開する世界のすべての地域で、すべてのブランドの価格を値上げするとのことです。
なかでもCohibaとTrinidadは、世界でも高額な販売価格である香港市場に合わせて最低価格が設定されるため、大きな増加が見込まれています。
ハバノスS.A.は、コイーバの増加し続ける旺盛な需要に加えて、価格上昇の主な理由として需要と供給の不均衡を挙げています。

「国際的に認められた高級製品としてのコイーバの位置付けを強化し、コイーバの価格を世界レベルで設定することを決定しました」とし、それは香港の価格設定を参考にする旨を、ハバノスS.A.はプレスリリースで発表しました。
「この決定は、ハバノスの上位ブランドの中でのコイーバの地位を確固たるものにし、また卓越したブランドであるトリニダも同様に当てはまります」

すべてのコイーバとトリニダを香港の市場価格に合わせるハバノスS.A.は、コイーバとトリニダを高級ブランドとして強化するために、世界中のすべての市場で最低価格を設定するということです。
ハバノスは、モンテクリスト、パルタガス、ロメオ・イ・フリエタなど他のブランドの価格も引き上げるとしていますが、香港の市場価格まで引き上げると発表しているのはコイーバとトリニダのみです。
他ブランドは10～25％の値上げであろうと予測されています。

この価格の高騰の前でも、コイーバとトリニダはすでに世界で最も高価な葉巻のひとつでしたが、この価格の変化はかなり大きなのものになると予測されています。
コイーバ Siglo VIは現在、イギリスで46.35ポンド（約57ドル）で販売されており、スイスでの小売価格は約56ドルです。
今日の香港では、現在の価格はHK$761（約97ドル）です。この通りに新価格が発効すると、Siglo VIの価格はイギリスで約68％上昇する計算となります。さらに高級なベイーケラインは、より大きな割合での値上げとなる見込みです。
値上げは各国市場に応じて、世界中で任意の時期に実施されるということです。

キューバの葉巻店

業界に与えるインパクトについては、「葉巻の世界に大きな変化をもたらす」との声が広がっています。
「過去10年で2度しか値上げを行わなかったハバノスS.A.は、その分も含めて今回の値上げを行ったのでしょう。キューバ産葉巻は安すぎました」というベンダーの声もあります。

コイーバを含めキューバ産葉巻は葉巻市場で「増加し続ける旺盛な需要」を維持し続けると見なされています。
値上げは顧客の統計の内訳の変化をもたらすだけで、コイーバとトリニダを含むキューバ産葉巻を好む高所得層の消費者も、消費行動を変える可能性は低いと見られており、これもハバノスS.A.が値上げを行う後押しになったと思われます。
Global Industry Analysts Inc.の調査によると、2022年の世界の高級嗜好品市場は2,428億ドルと推定され、2026年までに2,969億ドルへ上昇すると予測されています。