XIX Habanos Festival - Montecristo La Linea 1935 (上)

2017-03-13

3月3日、今年もミラマール地区のPalacio de Convenciones(パラシオ・デ・コンベンシオネス)でガラ・ディナーが開催された。
インビテーションには「MONTECRISTO LINEA 1935 」の文字。やはりモンテクリストが主役の夜のようだ。
初日にグラン・レゼルバを披露した変則的なフェスティバルとなっているが、それだけこの新たなモンテクリストをハバノスは重要視している事の現れだろう。


それとともに、今回新たに発表されたシガーやエディシオン・リミターダが発表された。
とくにケ・ドルセーはリングが刷新され、若々しいイメージが打ち出され非常に目を引く。

 


モンテクリスト ラ・リネア 1935。左からデュマス、49×130 プロミネンテ・コルト(デュマス )。マルテス、53×153 ソブレサリエンテス(マルテス)。レイェンダ、55×165 マラビジャスNo.2(レイェンダ)。これはモンテクリスト80アニベルサリオと同じサイズだ。以下、RG×mm・ビトラはビトラ・デ・ガレラ(ビトラ・デ・サリダ)の順。



2017年のエディシオン・リミターダ。左からパンチ レヒオス・デ・パンチ、48×120 ヘルモソス・エスペシアル(レヒオス・デ・パンチ)。パルタガス セリーNo.1、52×128 ノブレザス(セリーNo.1)。コイーバ タリスマン、54×154 カニョナソ・ドブレ(タリスマン)。

 


リングが刷新された新たなビトラが加わったケ・ドルセー。左からコロナス・クラロ、42×142 コロナス(コロナス・クラロ)。No.54、54×135 エドムンド・グルエソ(No.54)。No.50、50×110 No.50(No.50)。

 


H.アップマン コネスールB、54×150 ヘニアレス(コネスールB)。

 


トリニダ トロバ、52×166 カニョナソ・エスペシアル(ラ・トロバ)。

 


ショートスモークも加わる。ロメオ・イ・フリエタ ペティ・ロイヤルス、47×95 カプリチョス(ペティ・ロイヤルス)。


19時開場、20時開演の会場であるPABEXPOに辿り着くと、すでに千人以上の来場者がウェイティングに列をなしていた。

ガラ・ディナーには正装が求められる。ブラック・タイやドレスでキメた紳士淑女の人だかりが、そこここで着火されたシガーの煙でかすむ。この光景はフェスティバル・ハバノ特有のものだ。
昨年のコイーバ50周年のガラの反省を踏まえてか、入場は速やかに開始され、驚くほどスムーズに着席ができた。各テーブルでは、ショーが始まる前に記念撮影やおしゃべりに余念がない。


期間中は2000人以上がハバナに集った。

入場するときに受け取ったプレゼントを開けると、中には木箱に収められたモンテクリストの新たなシリーズ、ラ・リネアが一本ずつ。大きな順からレイェンダ、マルテス、デュマスだ。それとモンテクリストとフェスのロゴを入れたカッター、モンテクリストの香水の瓶。

早速そのシガーの封を解き火をつける参加者はいない。ガラ・ディナーではコースの皿ごとに一本シガーがサーブされるのだ。それに火をつければ良い。
ウェルカムドリンクからデザートまでの5品で、シガーはすべてモンテクリスト。メディオ・コロナ、オープン・マスター、デュマス、エドムンド、マルテスがサーブされ、みな思い思いに心ゆくまで紫煙を楽しんだ。

ハバノスS.A.の社長の挨拶の後、シガーと料理と壇上のアーティストが入れ替わり立ち替わり、そのたびに広大な会場の各テーブルから歓声が響き渡る。

ガラ・ディナーではDavid Torrens、VANIAなどラテン世界では非常に有名なアーティストたちが招かれ、キューバの伝統的な歌曲なども披露する。外国といえば英語圏の我々には余りなじみがないので分かりにくいが、スペイン語圏では超大御所たちだ。日本ならNHKがやる、大御所歌手たちを集めて懐メロや演歌を歌う番組などを想像してもらうと分かりやすい。
とくに今回の目玉はAra Malikianだった。バイオリンが縦横無尽に鳴り響き、観客たちがステージ前に詰めかけてひときわ大きな歓声と拍手が上がる。

そのステージの前には、オークション用に製作された一点ものの大型ヒュミドールが並ぶ。参加者たちは熱心に撮影し、入札者たちは予想される落札額を計算する。フェスティバル・ハバノスではガラ・ディナーが一番面白い。

<つづく>

 

 

Text by Tatsuya Igarashi:Twitter FaceBook