XXII Habanos Festival - Gala Evening Romeo y Julieta

2020-03-16

第22回ハバノス・フェスティバルの最終日、ガラ・ディナーは例年のようにPabexpo(パブエキスポ)で開催された。約1200人が詰めかけたこのフィナーレは、145周年を迎えるRomeo y Julietaを祝して行われた。

参加者に配られたLinea de Oroのサンプルボックス

ゲートでは参加者たちが待ちきれず、持参したシガーに火をつけすでに雲が湧いている。
配られたシャンパングラスを片手に、新作の話題に花が咲く。
ガラなのでドレスコードは当然第一正装、みなタキシードやドレスを身に着けている。崩れた服装は逆に浮いてしまう。

19時に開場されると、ゲート、ウェイティングルーム、本会場すべてがブランドカラーの赤で統一され、テーブルも金と赤で豪華に演出されていた。
入場するさい参加者は仮面をつけたスタッフから新作のリネア・デ・オーロ ヒダルゴスと鮮やかな仮面を受け取る。今回は仮面舞踏会という趣向だ。

スポンサーのゼニスのカウントダウンでディナーは始まる。
Habanos S.A.の両代表のスピーチで幕は切って落とされた。

テーブルに料理がサーブされる。
コースの皿ごとにシガーが配られるのもこのパーティの特徴だ。今回はRomeo y Julietaなので、それぞれリネア・デ・オーロ ディアナス、ノブレス、そしてチャーチルが惜しげもなく配られる。

壇上でノンストップで繰り広げられるショーも豪華な面々ばかりだ。
SANTIAGO ALFONSO、MIGUEL PATTERSON、GLORIA GAYNORなどラテン世界では綺羅星の如きスターたちが同じフロアでパフォーマンスを繰り出す。

スキあらばグラスを満たすスタッフたちとテーブルを渡り歩き挨拶を交わしたり撮影する参加者、そして数多のメディアで会場は熱気と紫煙に完全に包み込まれる。
新作リネア・デ・オーロのプレゼンテーションは万雷の拍手により迎えられた。

熱狂が最高潮に達したとき、それがガラを締めくくるヒュミドール・オークションの頃合いだ。
今回は5ブランド、H.Upmann、Partagas、Romeo y Julieta、Montecristo、Cohibaが選ばれた。すべて一点物の美術品で、その巨大な体躯にシガーを350本~550本ほど収納している。

Partagasのヒュミドール。各ビトラ390本が収められている。

今回はクリスティーズから専門のオークショニアが呼ばれオークションは進行された。
まずはじめに、昨年亡くなったサイモン・チェイスの遺品が親族から出品された。
Ramon Allones ハンター&フランカウ 225アニバーサリーヒュミドールだ。一般に市販されていたものだが、これは彼が最後に手掛けた品。そして本人の愛蔵品である。
彼に敬意を表して、380,000ユーロで落札された。会場から惜しみない拍手が送られる。

H.Upmannは360,000ユーロ、Partagasは400,000ユーロ、Romeo y Julietaは400,000ユーロ、Montecristoは420,000ユーロ。
さすが本職のオークショニア、テンポよく参加者を乗せてまたたく間に値段は跳ね上がる。

Cohibaヒュミドール。550本のCohibaが収められている。

最後のCohibaのひと品。またもや過去最高額で落札された。その額2,470,000ユーロ。
1億円を超えた!などと前年は大騒ぎしていたような気がするが、あっさりとそれを飛び越えた。
世界におけるシガーの人気の過熱ぶりがうかがえる。これらオークションの収益はすべてキューバの医療・公衆衛生に寄付されるという。

Habanos S.A.の2019年における売上は531,000,000ユーロ。前年比2%の増加とのことだ。
華々しいシガーの祭典、世界最大の葉巻のイベントは拍手と歓声のうちに幕を閉じた。

Text by Tatsuya Igarashi:Twitter FaceBook