Montecristo No.4 '93

2015-06-03

 

いわずと知れた、モンテクリスト。
先週のディプロマティコスに当てたわけではないが、同じくNo.4。コイーバと二大巨頭をなすキューバシガーのビッグネームだ。
しかもこれは1993年製、ハバノスS.A.の前身、クバタバコの時代のものだ。
(JT以前の公社といえばわかりやすいだろうか)

個人的には、モンテクリストは味の振れ幅が大きいと思う。もちろん、消費量がキューバシガー全体の中でもかなりの割合を占めているので、多くの工場で生産されているため、そういうこともあるだろう。だからあまり若い個体は吸わず、リングの百合のマークが細い古いものが好みだ。

サイズは42×129、マレバス(ペティコロナ)。ラッパーはマデューロ。
古い日本家屋の香り、そして仄かにタバコ香。
ラッパーはカサカサしていて葉脈が浮き出し、まだらに黒ずんでいる。
しかしキャップはがっちりと広く巻かれており、うまく巻かれているのがわかる。
ボックスプレスで四角くなっている。古い葉巻なのでヘッドが割れるのを考えパンチカットにしようと思ったが、キャップのできが非常にいいのでえいやっとフラットカット。
ドローは申し分ない。

着火してひと吸いすると、溢れ出す使いこまれた濃い鞣革。

 
 

そして生ナッツの皮、ダークカカオの仄かな甘み。
ピートのようなものも感じる。不思議だ。
先端を越えると、ビターな木質感が沁み出す。これはうまい。
20年も前のものだが、灰のホールドはなかなか強い。

白い灰を落として強く吸い込むと、ハーブ、古い香木が立ち昇る。もちろん辛さはない。
深く吸い込むとビターの影に花蜜が見え隠れする。
やがて熟成のよかったビンテージシガー特有のガス香が広がり、忘我の境地に連れ攫われる。
あっという間の40分。濃い煙に巻かれて白昼夢を見ていたような気がする。
オープンシリーズや積極的なELへの登用など、矢継ぎ早に出されるモンテクリスト。やはりハバノスの旗艦のひとつであるモンテクリストの底力は凄まじい。

LABEL : Montecristo 【Aged】