Punch Petit Coronas '00
2018-03-19
パンチには全く同じビトラで別名のシガーが多い。
有名なのは一連のコロナ・ゴルダのシリーズだが、こちらのペティコロナもペティコロナ・デル・パンチやコロネーション、プレジデンテスなど多い。
このペティコロナは1960年代から生産され始め、2002年に廃盤となった。
SLB50のみで作られ、古くは25本入りのグラスジャーなども存在したらしい。リングが変わる前にディスコンになったパンチだ。
サイズはRG42x129mm、ビトラ・デ・ガレラ:マレバス(ビトラ・デ・サリダ:ペティコロナ)。
ラッパーはやや濃いめのコロラド。産毛はもうないが表面はしなやかで、ごく薄い葉を使っているのがわかる。香りはウッド。フットから吸ってみると、ドローが通るのがわかる。
ヘッドをフラットカットし、フットに火を回す。湿った落ち葉とごく薄いが綿あめのような香りが立つ。
喫煙すると、ほのかにサトウキビのような素朴な甘さ、クヌギの枯葉の焚火、古い日本家屋の柱、剛直なウッドそしてそれとバランスの取れたビター。ミディアム。
サイズからは想像できない豊かな煙量に驚く。
灰を落とし強喫煙すると、白粉とミントのような青さが湧き出る。15年を軽く超える時を経ても纏うこの若々しさに引き込まれた。
サイズもさることながら、長い年月を経た葉は伸縮性を失い、湿度を保ちにくいので短くなるのが早い。
中盤はビターが薄れ、蜂蜜のような甘みが前面に出てくる。
あくまでスムースで棘が全くない。たばこ葉を燃やした煙とは思えない甘さとうま味、あとひくコクがその見た目以上のキャラクターを披露する。
カットの時にキャップが割れラッパーがほどけてきたので、葉巻が痩せて緩くなったリングをずらしてラッパーを押さえる。これをやる人はけっこういるはずだ。
終盤、品のあるビターが戻ってきて一気に喫味がしまる。
松の葉、茶色いラムのコク、歯茎にぐっとくるタンニン。アフターは細く長い。
40分で喫了。
熟成のピークで味わえた自負がある。吸い方で様々な表情を見せてくれて、肩ひじ張らずに火をつけられるキャラクターは稀有だ。
ビンテージには若いシガーにはない味わいと趣がある。そして若いシガーにも逆にビンテージにないものがある。
その両方が楽しめるからこそのシガーだということをこの葉巻は教えてくれる。