セリー・ル・オヨには2種類ある。2014年にリリースされたル・オヨ・デ・サン・ファンと、このル・オヨ・デ・リオ・セコだ。どちらもSLBの側面に目印のシールが貼られ、他のオヨ・デ・モントレイと異なるラインだという主張がなされている。
それ以外の見た目の特徴として、「SERIE LE HOYO」が記されたリング、サン・ファンは25本を束ねるリボンが白地に赤文字、リオ・セコは白地に緑文字、などがある。

リオ・セコのサイズはRG56x140mm。巨大なリングゲージを持つ。ビトラ・デ・ガレラ：アルモロソス（ビトラ・デ・サリダ：ロブスト・エクストラ）。このビトラは他のシガーにはない。リオ・セコだけのオリジナルだ。25本入SLBと10本入SLBで提供される。

香りはたっぷりとしたウッド。滴るようだ。
やや濃い目のコロラドラッパーの表面にオイルをまとわせている。オヨの持つスマートなイメージをサン・ファンはその豊満さで刷新してみせたが、リオ・セコはどうか。

RGが巨大なので、シザーでないと刃が届かない。ヘッドをフラットカットし、フットに火を灯す。
乾いた枯れ葉の焚き火。喫煙すると、ややビターを感じさせるナッティーなテイスト。
太いRGは圧倒的な煙量を生む。藁、チョーク、アーモンドの皮。ウッドも広く、ライトテイスト。
芯の方にシイタケ状のうま味。陳皮を感じさせる。

中盤は香ばしい穀物感がムクムクと湧き上がる。
焦がした全粒粉のビスケット。チェリー。
ブローすると現れる、和栗のモンブラン。ビターの中の甘みは強烈に感じられる。

扁平な味わいはなく、刻一刻と変化するテイストは立体的。深く遠く、感じ取ろうとする間にすぐ足元から変わっていく。
強烈なウッド。ダージリン。レザーが強くなり、味わいが収斂していくのがわかる。そして終局へ……

70分で喫了。
ビターなオヨ。だがただの渋いシガーではなく、ゆったりとしたふくよかさが記憶に残る。
最も大きなリングゲージを持つHoyo de Monterrey、一見の価値あり。