Rafael Gonzalez Panetelas '05

2022-05-31

小さな葉巻はなにかと見過ごされがちだが、ハバノスは大きさではない。
ついつい大きなシガーに手が出てしまうのはわかるが、小さな葉巻やローカルブランドをこき下ろす輩は、ハバノスの本質を理解できないファッションスモーカーだ。

60年代からラファエル・ゴンザレスで提供されていたパナテラスは2006年で廃盤となった。
このブランドは廃盤が重なり、忘れ去られた感があった。
最近はERへの登場で皆に思い出されてきたが、傑作コロナス・エクストラやロンズデールを提供していた由緒正しいブランドである。

サイズはRG34x117mm、ビトラ・デ・ガレラ:パナテラス(ビトラ・デ・サリダ:スモール・パナテラ)。
25本入りドレスボックス(化粧箱)で提供された。
箱から取り出して確認する。香りはごく薄い。ラッパーはコロラド、オイル感はあまりない。
17年の時を重ねて、薄まったのだろうか?
小さくライトなシガー、化粧箱にずっと入っていたものなので、仕方がないかもしれない。
ピークとされる時を少し逃している。

ヘッドをカットし、フットに火を灯す。
香木のような香りが立ち籠める。喫煙する。
緻密なウッド。軽めだが主張がはっきりとしたウッドだ。樫の木。
ビターなタッチがうま味と融合し、素晴らしい余韻を生んでいる。ライト。
ドライな喫感とナッツが口腔に溢れ、唾液が止まらなくなる。
やはりハバノスは大きさだけではないことが、すでに証明された。


中盤は枯れ感が大きく顔を出し、椎茸の出汁の奔流に飲まれる。
小さな葉巻なので繊細な喫煙のコントロールが要求されるが、それに応えてくれるように素晴らしいスモークを楽しませてくれる。
出汁の後ろは奥行きが深い。クルミ、ウッド。ややレザー感もあり、追いかけるとどこまでも広がる。

終盤はうま味ビターに回帰する。短くなってもこのうま味の泉は尽きず、さらに太くなる。
ブローすると白粉もほのかに加わり、さらに拡大する。
終始素晴らしいアロマで香りも楽しめる。

30分で喫了。
小さな葉巻はなにかと見過ごされがちだが、ハバノスは大きさではない。
熟成を経ても、またフレッシュなときでも、その刻の姿を楽しむのがハバノスだ。

LABEL : Rafael Gonzalez 【Aged】