El Rey del Mundo La Reina 2019 ER Gran Bretaña
2025-01-29
ラギートNo.1は特別なビトラである――と思いたいのはランセロがそうであるからか。
廃盤を含めれば8ブランドで使用されたビトラなのでとくにプレミア感はないが、そういったものにロマンを感じるのも葉巻の楽しみのひとつだろうから否定はしない。
ラ・レイナはエル・レイ・デル・ムンドのエディシオン・レヒオナル。イギリス限定で2019年にリリースされた。
「世界の王」を意味するEl Rey del MundoのLa Reina(女王)というのがパンチが効いてて良い。
イギリス限定、当然エリザベス2世のことを指しているのだろう。
サイズはRG38x192mm、ビトラ・デ・ガレラ:ラギートNo.1(ビトラ・デ・サリダ:ロングパナテラ)。
24本入りSBN(セミ・ボワト・ナチュール)で3500箱が生産された。
葉巻をチェックする。最も目を引くのは黄色いエル・レイのリングとERのダブルリング。
ラッパーはコロラドで、やや粗さを感じる。オイリー。華やかなウッドの芳香。ピッグテール。
ヘッドをカットしてフットに着火。
強火の杉の薪の焚き火。
喫煙する。ビターが鼻を抜ける。
ビターなウッドの枯れ感と、乾燥キノコのうま味が絶妙にマッチしている。
奥の方に柑橘類を感じ、ホワイトペッパーの余韻。ドローは良く爽快な喫感。
ミディアムライト。
強さはないが、その中で逆に嗅味覚が味わい・香りの輪郭をはっきりと捉えられる。
豊かなブーケが脳を溶かす。
中盤、奥の方にレザーを感じると同時に小麦が一気に広がる。ショワ・スプレーム(財務省登録名称はシュワスプリームだがどうでもいい)を連想する。全く別物のように見えて、El Rey del Mundoに間違いない。ブランドの持つ特性や個性を余す所なく持ち合わせて、かつ上位にある。
終盤にブローすると花蜜。鼻を抜ける白粉。
チーズと同じ、発酵と熟成の化学にはいつも驚嘆する。どうしてあの植物の葉がこのような味と香りに変化するのか。
口腔に華やかなペッパーが爆発し、60分で喫了。
確かにラギートNo.1は特別なビトラなのかもしれない、と思わせるシガー。
ラギートやランセロにまつわるオカルトや迷信で植え付けられた先入観も、実際に味わい感覚で得た答えがすり合わせてくれるだろう。
葉巻は情報ではなく、それそのものが持つ味と香りに価値がある。
LABEL : El Rey del Mundo 【Edicion Regional】