8-2:葉巻にまつわる勘違い シダーで着火

2015-12-03

シガーを扱うバーなどで、小さいグラスに鉛筆立てのように刺さった、たくさんの細長い薄い板のようなものを目にする事があると思う。

 

葉巻の箱の中の仕切り板に使われる、杉(シダー)の薄い板を細かく割って、棒のようにしたものだ。シダー片といわれる。

 

シガーのガイド本やインターネットでは、これで葉巻に着火するよういわれている。

使い方は、先端に火をつけて燃やし、それでフットを焦がし火をつけて喫煙するという方法だ。

これで火をつけると、シダーの香りが広がり、また葉巻もウッドの風味が良くなるという。

 

さて、この着火方法はあまりいただけない。

まずシダーの香りが広がるといわれるが、葉巻を喫煙する前に他の香りを立たせる意味はとくにない。また、燃焼した木の香りが葉巻のアロマや喫味に影響する事はなく、燃える炎の風情を味わうくらいの効果しかないだろう。

 

揺らめく炎をコントロールする事はかなり難しく、軽い気持ちでやってみてラッパーを黒焦げにすることも珍しくない。

そしてシダーは思ったより燃焼が早く、着火する際に初心者はかなり慌てる事だろう。落ちた灰で床やテーブルを散らかすのも良くない。

燃焼が早いのはマッチも同じで、シガー用のマッチは軸が長いものが用意されているが、味わいには関係しないのでやはりライターをおすすめする。

 

ではなぜ、シダーで火をつけよとされているのだろうか。

シダーで葉巻に着火する起源は、過去に開催されていたシガーのサービスコンテストにあると思われる。

バーテンダーやホテルマン向けに開催されていた、シガーサーブや知識を競う大会だ。

 

エレガントに着火し、それをお客様に提供する。その技を競う上で、シダーで着火する方法が広まったのだ。

提供者側はプロフェッショナルなので、難なくシダーで着火できる。

しかし単なる喫煙者である客側がそれを真似しようとすると、結構難しい。

 

ソムリエがワインをサーブするやり方を、客側が真似することがないように、スモーカーは無理にそれを真似する必要はないのだ。

シダーに火をつけて火傷したり灰を飛び散らせたり、テーブルやカーペットに焦げあとを作ったり、着火した葉巻を振り回して周囲を危ない目に遭わせることはない。

 

シガーの着火の方法はこちらを参考にしてもらいたい。

シダーでの着火はサービサーのスキルなので、葉巻を楽しむ上での必須科目ではない。自分は好きに着火して葉巻を楽しもう。