Trinidad Fundadores '98

2015-06-03

 

トリニダ フンダドレス。なんともアメリカンなフォントで印刷された「Trinidad」。
ラ・サンティスマ・トリニダにちなんで名づけられたこのブランドは1969年に誕生したが、一般に市販が開始されたのは1997年から。それまではキューバ政府が政府高官または贈答品用に作っていたという。
この旧リングは97年のブランドリリースから2002年まで利用されてきた。
トリニダ全製品の特徴であるピッグテール。サイズは49×192、ラギート・エスペシアルNo.1(ロング・パナテラT)。鼻に近づけると、まだタバコ香は飛ばずにしっかりしているのがわかる。
全体は、葉脈はないが緩やかな皺が走っている。ラッパーは薄くしなやかな肌触り。色はコロラド。
フットを見てみると、かなりうまく巻かれているようだ。
 
フラットカット。空吸いするとほんのわずかにテンションを感じる。このサイズからしたら驚きのスムーズさだ。
着火すると立ち昇る、ふくよかな木の香り。包み込むような芳醇な味わいだ。
ウッディーなベースだが控えめな甘み、そして強く吸い込むと柑橘類の皮のようなものを感じる。
妙な言い方だが、煙っぽくない絹のようなタッチの煙。喫感はミディアムフルだろうか。
花弁の多い多肉花を思わせる。柔らかい鞣革、ココアパウダーが順繰りに回る。
 

 

灰の色はホワイトグレー。3センチほどで灰を落として直接味わう。カカオの強いダークチョコレートだ。
背景に佇む木質系の存在感は変わらないが、ほんのりビター。ビターといっても当然苦味ではない。
中盤になると、甘さは和らぎ(しかし掻き消えるほどではない)絶妙なビター&スイート。舌の根から唾液が湧き出してきて止まらない。うううーん……。
 
煙を鼻から抜くと、緻密な樹を燃焼させた快さ。内部が蒸れてくると喫味はやや強くなり、甘みも澄んできた。
さまざまな表情を見せつつも終盤、乾いた牧草と革が立ち上がってくる。
鋭い甘みは針のように尖り、膨張しを繰り返す。穏やかな終盤。
喫煙時間100分、変化に富んだ葉巻だ。
うまいトリニダも微妙なトリニダも吸ってきたが、やはり旧リングは格の違いを見せ付けてくれる。

LABEL : Trinidad 【Aged】