Hoyo de Monterrey Epicure Especial Edicion Limitada 2004

2025-12-30

オヨ・デ・モントレイのエピクールシリーズの筆頭として認知されているエスペシアルは、2004年のエディシオン・リミターダがその人気ゆえに2008年にレギュラーラインになったものだ。
このような例は他にもH.Upmannなどがある。

むろん現行品と異なる。
25本入りSLBやビトラは同じだが、ELなのでラッパーは2年熟成、使用されるタバコ葉も厳選されている。
サイズはRG50x141mm、ビトラ・デ・ガレラ:ゴルディト(ビトラ・デ・サリダ:ロブスト・エクストラ)だ。

箱から取り出す。マデューロラッパーと金のELリングとのコントラストが眩しい。それ以外はだいたい同じ(リングが少し小さい)。香りは古い日本家屋。

ヘッドをフラットカットし空吸い。強いウッドが唇を刺激する。ドローはよく通る。
フットに火を回すと、わずかに酸味を含んだ炭が香る。
喫煙すると白樺。カラメル。砂糖無しのカフェオレ。
ほどよいビターが上顎をくすぐり、淡いがくっきりとした輪郭は異様な存在感を放っている。ライト。

甘みやウッドが現れたと思った、干し椎茸や陳皮、ブラックペッパーまで帯域は広がる。
その広大な変化は果てがしれず、追いかけていくといつの間にか振り出しに戻っている。
うま味やコクは脳を麻痺させる。


テクスチャに酔い、激烈なアロマに酔っていると中盤、乾燥昆布のようなタッチ。
鼻を抜ける爽快なハーブ感と枯れ節に悶絶する。
20年前のシガーは葉の保湿力が落ちているので燃焼は早い。喫煙をコントロールする術を知らないと、うまくスモーキングできない。

終盤はハーブ系リキュールを彷彿とさせる。
そこにキノコのうま味が足され、脳髄も舌も痺れる。
枯れ感の中、若いシガーとは異なり味わいの骨格だけがくっきりと浮かび上がって、味覚の色彩に溺れる。素晴らしい香りに巻かれて40分で喫了。

若干ピークは過ぎている感があるが、素晴らしい喫煙体験だった。
ELは熟成させると大化けするので、入手して吸う分と熟成に回す分が不可欠だ。
それはハバノス全部に言えることだが、吸いたい欲求を抑え込むのに非常に努力を要する。
しかしそれを克服したあとには、素晴らしい体験が待っている。

LABEL : Hoyo de Monterrey 【Aged】 【Edicion Limitada】