La Flor de Cano Grandiosos 2013 ER Asia Pacifico

2017-03-31

フォルデカノ グランディオソスは2013年にアジア・パシフィックエリアのエディシオン・レヒオナルとしてリリースされた。カノのERは少ない。
サイズはRG52×135mmと堂々とした出で立ち。ビトラ・デ・ガレラ:エドムンド(ビトラ・デ・サリダ:ロブスト)。10本入りSLBで5000箱が生産された。

一本取り出して鼻を近づけると、樹の芳香を放っている。ラッパーはコロラド・マデューロで、ラッパーは滑らか。ややオイリー。大判のフォルデカノのリングが目を引く。フットからはタバコ香が漂う。
径が太い。シザーの刃を当て軽く挟み回し、ラッパーのみに切れ目をつけ一気に力を込めカットする。回し切りだ。フットを咥え吹きヘッドの粉を飛ばす。

着火する。漂う香ばしい甘い香り。
ヘッドに口を付け吸うとやはり予想したように、小麦菓子系の甘みだ。ミディアムボディ。
大木の幹の奥から滴り落ちたかのような、ウッド系の強い甘みにしびれる。
ドライアプリコット、カシューナッツ、化粧香、バラ味のガム。鼻を抜けるアロマはバラの香水!
粉をまぶしたつきたての柔らかい餅のようなタッチ。灰を落として強喫煙すると、バラの香水は凄まじい奔流となって脳天を直撃する。

このバラ、キューバンシガーのみでしか出てこない、そしてシガーの質と製作と熟成の環境がすべて高い水準に来ていないと現れない、最も高貴なテイストとアロマだ。
アジアERの水準は他のユーロ圏ERと比べて低いが、このフォルデカノは以前と比べてなかなかだな、と出た当初に吸って感じてはいた。
環境による熟成の妙。手前味噌だが、素晴らしいシガーに育っていた。このタッチは10年近く熟成させたLa Gloria Cubana や慎重に管理されたキューバンダビドフに出てくるが、このERにも現れるとは。思わず笑いがこぼれる。


中盤、バラは穏やかになり、さらさらとした粉状の感触の白粉が現れる。口腔奥と鼻腔にそれらの鼻の香りがいっぱいに充満し、悦楽に浸れる。うま味もコクも飛び抜けている。
灰を落として吹き戻すと、クリアなローズがまた戻ってくる。煙るような煙量にまみれるとまさに忘我。

喫煙技術の持てる限りを駆使して味わいを引き出す事に没頭していたら、あっという間にシガーは短くなっていた。無情!夢の時間は必ず終わりがくるとシガーは常に警告する。
バラの咲き乱れる花園に、ハーブとリコリス。そして……
最後のバラの雫の一滴を舌の上に落とし、葉巻は燃え尽きた。

60分で喫了。フォルデカノのタッチの上に、重厚で豪華なバラが敷き詰められている。
これが出るかどうかは熟成次第だが、飛び抜けたポテンシャルの高さは間違いない。
アジアで出回ったERなので、ぜひ手に取る事をおすすめしたい。

LABEL : La Flor de Cano 【Edicion Regional】