Diplomaticos Excelencia 2015 ER Cuba

2017-07-21

エディシオン・レヒオナルは国限定で発売されるシガーだ。ハバノスの謎のひとつとして、ほぼ自国民は買わないのに、キューバの名を冠するレヒオナルが存在する事だ。
今のところLa Gloria Cubana、El Rey del Mundo、Diplomaticos、Saint Luis Reyから出ており、数としても少なくはない。
最大の難点は非常に人気が高く市場で品薄なので、あっというまに無くなってしまう事だ。

さて、このエクセレンシアは今では限定品の種類の方がコモン品より多くなってしまったDiplomaticosからのリリースだ。
サイズは50×124、ビトラ・デ・ガレラ:ロブストス(ビトラ・デ・サリダ:ロブスト)。10本入りドレスボックスが7000箱生産された。

ラッパーはやや濃いめのコロラド。品質はずば抜けて良いというわけではなく、細い葉脈がやや走っている。
鼻を近づけると草系の芳香で、薄いタバコ香をまとっている。

空吸いしてドローをチェックし、フットを炙る。
甘い濃厚な煙が立つ。喫煙する。
ザラメのようなはっきりとした甘さが舌を打つ。鞣し革、ナツメグ、香水。舌の付け根と喉奥にツーんとくるうま味が強くコクが深い。ミディアムフル。

強喫煙するとスルメのような蛋白質系のうま味が脳を直撃する。イノシン酸系の麻薬物質が入っているに違いない。ペパーミントっぽさもアフターに感じる。


常々ユーロ圏のERの高品質さに業を煮やしていたが、双璧をなすのはこのキューバのERだ。
リリースされた物全てを吸ったがえこひいきレベルで美味い。お膝元のキューバの名を冠するレヒオナルで他に負ける訳にはいかないという事だろうか。なるほど発注者もハバノスS.A.なのである。

中盤は白粉の風味が立ってくる。熟成に時を重ねた箱ではないのだが、ハイポテンシャルを感じさせる。ややペッパー。
葉巻内部が蒸れて喫味が強くなってくる後半はシガーの表情がガラリと変わる事もめずらしくない。仏のかんばせが鬼の苛烈さに一変するそのスリリングな瞬間を体験するのを至福と考えるスモーカーも多いことだろう。
このシガーもぐっと喫味が増し、濃厚なタバコ香を放つ。そのパヒュームに酔いしれる。
終盤は薄くナッツが張り、メタルっぽいテイストが現れる。草束のような青さもあり、その立体感はどこまでも広がっていくようで果てがない。うま味の質も変化していく。

50分で喫了。

シガーの中に宇宙がある、というのはロマンチストがすぎるだろうか?

LABEL : Diplomaticos 【Edicion Regional】