Romeo y Julieta Cupidos Habanos Specialist Exclusive '24
2025-10-15
クピドスはすでに定番となった金リング・ラグジュアリーボックスのシリーズとして、Romeo y Julietaから販売された。
2023年からデリバリーが開始され、すでにコレクションとして抱えているスモーカーも多いことだろう。
ちょうどいい感じになったと思われるので開封することにする。
アリアドスはじめ他のLCDH+ハバノス・スペシャリストのダブルネーム金リングを備えたシリーズは、だいたいが特別なビトラを与えられている。
このシガーもサイズがRG55x148mm、ビトラ・デ・ガレラ:ヴェロナス(ビトラ・デ・サリダ:ロブスト・エクストラ)となっている。
どう見てもロブストではないが、粋なのはヴェローナは「ロミオとジュリエット」の舞台となった街の名だ。
黒い紙の外箱を開けると、目の覚めるような赤い布袋。その中に20本入りのラグジュアリーボックスが収められている。
赤と白で彩られ、ロマンチックなラ・クビエルタはまさにシェイクスピアの物語の秘密の宝箱といった風情だ。
箱を開き、シガーを確認する。
色はほんのり濃い目のマデューロ。ラッパーは微妙に油を感じるほど。
通常のベリコソより太く長いその体躯は、非常に堂々とした趣だ。ダブルネームの金リングと相まって、なんともそそる形だ。香りはウッドと奥の方にハーブがある。
尖ったヘッドをフラットカットし、大きなフットに着火する。
花畑のような芳香。喫煙するとレザーと水飴。
バランスの取れたウッドが右に左に振れ、そのたびに形が変わる。
瑞々しい果実感、コニャックのコク。
どっしりとしているが重たくはない、軽妙さまで感じられるタッチ。薬草系リキュール。ミディアム。
中盤はハーブ感を増し、そのリキュールが呼吸するようにじわじわ広がっていく。
ローストしたビターな感じから生のキノコのうま味まで、幅広く変化を楽しめて奥行きが広い。
繊細なテクスチャはロメオの上位品種として作られた、という確固とした意思を感じさせる。
後半にヘッドをリカットすると目を覚ましたかのように轟然とスモークが口腔に押し寄せ陶酔する。
終盤、ブローすると白粉と化粧香が吹く。
華やかさが倍加し、煙量と相まって眼の前が白む。
アフターのビターのトーンが厚めに立ち上がり、重厚感が増す。これは秀作……
80分で喫了。
見た目も中身も優れた逸品。
確かにハバノスは値上がりし(それでも物価上昇の現状と日本の定価を見ると世界的には非常に安価だが……)、限定品ともなれば価格もそれなりだが、買える買えないということとその葉巻の本質、本物感はまた別の話だ。
本物を手に入れるためには相応の努力が必要――安くて良いものなどない。
はっきりとそれを感じさせ、なおかつ欲しいと思わせるシガーだ。
LABEL : Romeo y Julieta 【LCDH】