H.Upmann Regalias '16

2017-09-14

2002年はハバノスにとって重要な年だ。アルタディスがハバノスS.A.株取得により経営に参加しはじめ、今までにない多くの変化が起こった年だ。
数多のビトラがディスコンとなり、1年エディシオン・リミターダがブランクとなり、多くのパッケージが姿を消し合理化が進み……そしていくつかのマシンメイドシガーがハンドメイドへと昇格した。

このレガリアスもそのひとつだ。
1960年代から生産され続けてきたこのシガーは、セロハン入りマシンメイドだったが2002年からハンドメイドで作られている。25本入りドレスボックスの底に「トタルメンテ・ア・マノ」と付くようになった。

レガリアス、レハリアスでも良いがサイズはRG42×129mm、ビトラ・デ・ガレラ:ペティコロナス(ビトラ・デ・サリダ:ペティコロナ)。工場用と販売用のビトラが同じ、ペティコロナの中のペティコロナである。
一本取り出して観察する。
ラッパーはコロラド・クラロ。あっさりした外見だ。稲妻のように細い葉脈が走る。化粧箱でつぶされて、フットは四角くなっている。くどいようだがこういうのはボックスプレスと言わない。キャラメルのように意図的に四角く変形させた形をボックスプレスというのだ。
香りは軽いタバコ香、焼きたての食パンのようなニュアンスをほのかに感じる。

フットを吸いドローを確認してヘッドをフラットカット、フットを咥えて吹いてからヘッドを咥え空吸いのルーチンからの着火。
予想通り、パンの酵母系の豊かな香りが立ち昇る。
喫煙する。アップマンのテイストの中核をなすウッドと小麦系の組み合わせが口腔を満たす。くせがなくあくまでスムーズな食パン、胡桃、藁束。ミディアムライト。


柔らかなうま味と澄んだコクがあり、全体的にさらりとした流動体で粘性があまりない。
強喫煙するとメタリックな質感が表に出て、ふとした瞬間に出るペッパーも飽きさせない。
藁束はどんどん太くなり杉の幹になる。菌類のようなうま味も加勢し中盤〜終盤は変化に富む。強さもミディアムライトからミディアムへの収縮を繰り返し、スモーカーを魅了する。

終盤はキノコ感が強くなり、グアニル酸を感じる。パンのようなテイストはより強いレザーの立ち上がりがかぶさり、最後には香木に収束する。
60分で喫了。
ライトめな喫感でも味わいが薄くないのがハバノスの特徴。あまりメジャーなビトラではないが、ペティコロナスが廃盤となったら出番が増えそうだ。もちろん、吸い比べてその違いを楽しむのも非常に面白い。

LABEL : H. Upmann