La Gloria Cubana La Casa de Habano 25th Aniversario Pirámides '16

2017-10-03

ラ・グロリア・クバーナから出たLa Casa del Habanoの25周年を祝う特別ヒュミドールから、ピラミデスである。
成り立ちやヒュミドールの詳細については以前の記事に詳細がある。

 


サイズはRG52×156mm、ビトラ・デ・ガレラ:ピラミデス(ビトラ・デ・サリダ:ピラミデ)。
同じヒュミドールに納められているロブスト・エクストラと同じ、専用のダブルリングを備える。
リボンで束ねられた中央から一本取り出す。
コロラドラッパーは表面にオイル分をまとってなめらかで、キャップががっちりと巻かれている。肩が張り、こんもりと膨らんだアールはいかにも喫煙欲を誘う。
ふくよかなタバコ香がぷんぷんに香り、このシガーを前に吸いたいという気持ちを抑えるのは至難の業だ。

 


フットを空吸いしてヘッドをフラットカット。みっちりとフィラーが詰められているのがわかる。期待に胸を躍らせ、フットに着火する。
甘いウッドを思わせる煙が広がる。
ひと口吸うと、溌剌とした漲るようなウッドに飲み込まれる。
花蜜を思わせるようなファーストをめくると、杉の製材、白粉、コーヒー豆、コケモモ。非常に端正で身なりが整っている。ミディアム。
広く厚いウッドの中に、滴るように複数のフレーバーが同居する。それらはお互いぶつかる事もなく、しかし複雑に絡み合っている。
若々しいのに、ビンテージシガーが備えるテイストをすでに持っている。強喫煙すると強烈な白粉が鼻腔を真っ白に塗り替える。

ロブスト・エクストラもそうだったが、非常に香る。馨しい。
この香りをかぐと、「昔の王侯貴族は召使いたちに葉巻をふかさせ、自分はその煙を楽しんでいた」というのがよくわかる。自分で喫煙しないのならヤニクラはおきないし、無限に吸える。
新鮮な魚介のチャウダーを思わせるようなまったりとした喫感。アフターが長い。うま味もコクも充分だ。

 


中盤はウッドと白粉が圧倒し、独壇場となる。
もちろんそれ以外のフレーバーもぽっぽっと顔を出しつつ隠れつつ、スモーカーを手玉に取る。みっしりとした肉感。重厚だが圧はなく、La Gloria Cubanaの良い所だけを抽出した錬金術で作ったような。

ダークローストのコーヒー、高カカオのチョコレートを味わっていると終盤、魚介のテイストが再び太くなる。吹き戻し(ブロー)するとよりはっきり感じ取れる。
味わいがさらに深まり、微小なホワイトペッパーがアクセントに添えられる。劇的なドラマを感じさせる終焉だ。

60分で喫了。
これは目につく所に置かず、熟成に回す。経年変化を与える前に吸いきってしまいそうだ。
エイジドシガーとなった頃、これはさらに強烈な、素晴らしい葉巻体験を与えてくれるに違いない。今吸ってももちろん極上だが、この楽しみを未来に残したい。

LABEL : La Gloria Cubana 【Special】