Partagas Lonsdale '00

2017-10-26

ハバノスというのは過去に別名で同じビトラのものが同ブランドに複数存在することがよくある。
よく上がるのはPunchのグランドコロナ、つまりパンチ・パンチは同ビトラが多くあり区別がつかなかった。
当然ブレンドで味わいの差はつけられそれぞれは全くの別物だったが、2002年ごろを境にそれら重複するビトラはほとんど廃盤となった。

このパルタガス ロンズデールもそのひとつだ。ビトラとしてのロンズデールはロンズデール、8-9-8、パルタガス・デ・パルタガス No.1、セレクシオン・プリバダ No.1と存在したが、現行では8-9-8しか販売されていない。Habanos S.A.の合理化の戦略のひとつの形である。
さてこのロンズデール、1960年代から製造されはじめ、2003年にディスコンになった。パッケージングは50本入りのSLBと25本入りの化粧箱。これはキャビネットなので50SLBのものだ。

箱から取り出すと古い日本家屋の香り。経年変化で葉巻自体は硬化している。フットを吸ってドローチェックして安堵した。この箱はほとんど全て鬼ドローで、入手してから相当期間、ドローを軽くする為の処理をしていたからだ。
ラッパーは明るめのコロラド。葉脈は細く、なかなかの面構えだ。
フラットカットして空吸いし、ドローをチェックする。葉がかなり痩せているので問題なく通る。

 


フットに火を当てると、大きな焚き火のような香りが立ち昇る。
喫煙すると、非常に甘いフレーバーが舌を包み込んだ。
しかしぐっとくるレザー、ごつごつとした質感のあるウッド、白墨の固まり。ボディは太く、非常にパワフル。ストロング。
17年の時間をものともしないような、ともすれば荒削りともいえるワイルドな喫味は「これがパルタガス!」と横っ面を殴られたようなインパクトがある。
当初全然空気が通らなかったほどの悪ドローだったのが、普通に通るようになるほど葉が痩せたのに凄まじく鋭い。
エレガントな見た目のロンズデールから、こんな極悪な(褒め言葉である)テイストが炸裂するとは。老いてなお猛々しいとはこの事である。

目の詰まったウッド、固い厚いホースハイド、わずかに金属系の響き。
しかしスモーキングのイメージとしては「巨大な岩」である。まったく葉巻は外見で判断できない。
この岩を相手にしていると終盤、コーヒーのようなビターが長い余韻を残しながらまろびでてくる。
キックは留まる所を知らず強くなり、頭の中にある基準とするパルタガスのスケールから大きく振り切れる。

60分で喫了。
ロンズデールに外れなし。いつも新しい体験をさせてくれる。
とくにこのパルタガス ロンズデールは素晴らしい体験、冒険だ。火をつければ真っ逆さま。ハバノスの神髄を垣間見ることができるだろう。

LABEL : Partagas 【Aged】