La Flor de Cano Selectos '98

2015-06-03

 

「フロールデカノ」「フォルデカノ」と呼び方が分かれるブランドだが個人的にはフォルデカノと呼んでいる。1884年に生まれたブランドだが、ほとんどのビトラが廃止され現在国内で見られるのは2種類のみ。
2010年にエディシオン・レヒオナルが初めて生産され、そこでこのブランドを知った人も多いかもしれない。

このセレクトスはマシンメイドで、1960年代に生産が開始され2002年にはショートフィラーのハンドメイドに生まれ変わった。
サイズはクリスタレス(ロングコロナ)、41×150。
マシンメイドの特徴でもある角ばった巻きの甘いヘッド、そして緩い縮緬状のラッパー。
葉巻自体は四角くなっている。色はコロラド。
鼻を近づけると乾いた土、綿埃の香りが漂う。フラットカットして着火する。

 



突き抜ける、ダイレクトなタバコ味。力強さに驚く。フルボディ。
あけすけなほどストレートなタバコ味、サイドにほんの僅かにあるかないかのアーシーさ。仮借ない強さの古きキューバンシガーを髣髴とさせる。
ヘビーなビターテイストは苦味と紙一重だ。
燃焼は悪くない。5センチほどでグレーの灰を落とす。
直接、深く喫煙する。古びた海産乾物、流木、乾燥した骨。
脂分はまったく感じない。

中盤からタバコ味はぐっと抑えられ、土の甘みが染み出してきた。
木質感も芽生えてくる。目をつぶると、乾いた杉の表皮が燃えて捲れるのが目に浮かぶ。
絶妙なビター&スイートを味わい、60分で喫了。
前回レビューしたカバニャスと真逆の変化を見せる一本だった。

LABEL : La Flor de Cano 【Aged】