Romeo y Julieta Tacos Edicion Limitada 2018

2019-09-20

エディシオン・リミターダは通常毎年3種類リリースされる(初期の頃や2015年は違ったので、そうとも言い切れないが)。2018年はH.Upmann、Bolivar、Romeo y Julietaだった。ロメオ・イ・フリエタは2016年から間を置かずELに再登場。さすが現在ハバノスで一番の売上を誇るブランドだけある。

タコスと聞くとあのメキシコ料理を思い出すが、シガー自体はtaco(軽食)というレベルではない。
サイズはRG49x168mm、ビトラ・デ・ガレラ:タコス・インペリアレス(ビトラ・デ・サリダ:グランドコロナ)。過去に一度だけH.Upmannのレプリカ・アンティーク・ヒュミドール用に製作されただけの貴重なビトラだ。スタンダードラインナップに重複するビトラはない。
ドレスボックスに25本入りで提供される。

箱を開けてシガーをチェックする。草とレザーが醸し出す香りが鼻をくすぐる。
マデューロラッパーはきつく巻かれ、色のトーンも一定していて美しい。表面は軽くオイリー。通常のロメオのリングにELのダブルリング。2018年のELの中でもっとも長いのでエレガントな印象だ。

ヘッドをフラットカットし、フットに着火する。新品のレザーの香りが立ち昇る。
喫煙すると、レザーとウッドと蜜の三位一体が現れた。
それらを背景に控え、ナッツ、チョコレートがコーティングされる。わずかに熟れたバナナ。味わいの積層感が非常に大きい。
フローラルな香りが非常に華やかで、ロメオの持つ「陽」の部分が非常によく引き出されている印象を受ける。ミディアム。

 


中盤、カカオのテイストが立ち上がってくる。
レザーとカカオが絡まり融合し、前衛的なスイーツを一皿味わっているような感覚に陥る。コクが深い。
南国のフルーツとソリッドな喫感が融合した、立体感のあるテクスチャに翻弄され続ける。

穏やかに終盤。手品のように劇的に変化はしないが、気がつくと全く別のテイストへと辿り着く。これもハバノスの特質だ。
ブローすると若草のような芳香。白粉。爽やかな喫感に目も覚める。
中盤から終始中央に据えられたレザーとチョコレートは振幅を広げたり狭めたり、穏やかに終局へ向かう。ペパーミント、フェンネル。

80分で喫了。
2018ELの白眉。ELはどれも優れた品なので甲乙つけがたいが、3種類が目の前に揃っていて、時間もあるようならばこれに手が伸びるだろう。
大きなハバノスに外れはないが、ELにも外れはない。あなたはどれを選ぶ?

LABEL : Romeo y Julieta 【Edicion Limitada】