Bolivar Coronas Junior '17

2020-01-13

コロナス・ジュニオール(フニオールでもどちらでもいいが)は現行のボリバーで最も小さなショートスモークだ。
Habanos S.A.のブランド区分の中で「最も強い」のひとつに位置するボリバー、その小兵。しかしあなどってはいけない(よく知られたことだが葉巻はサイズが大きいほどマイルドなので、逆を考えればよく分かる)。

このシガーは1960年代から作られ続けており、80年代から1993年まではイギリスのディストリビューター、ハンターから「アマダ・セレクシオン G」として販売されていた。「最愛」とは大きく出たものである。

サイズはRG42x110mm、ビトラ・デ・ガレラ:ミヌトス(ビトラ・デ・サリダ:ペティコロナ)。かつては10本入り化粧箱が存在したが、現在は25本入り化粧箱のみの販売となっている。

箱を開けると、プレスされて葉巻はやや平べったくなっている。
コロラドラッパーには細かい葉脈が走る。香りはやや土っぽく、全体的にオイリー。
小さいシガーなのでドローを確認する。フットを吸い、ヘッドをフラットカットしさらに空吸い。とくに問題ない。

フットに火を付ける。濃ゆいウッドが立ち昇る。
喫煙する。太いナッツの甘みが穿つ。
甘みの次は重厚なオーク材だ。ごつく、熾烈で、荒々しいボリバー特有の鋭さ。ストロング。
ソリッドな喫感は小さいながらも、いや小さいからだろうか、みっしりと密でパワフル。
燻製アーモンド。カカオ。片口鰯の出汁。


中盤は煮詰めた魚介のスープのようなテイストとウッドが合体し、濃厚な喫煙が体験できる。レザーもアクセントに添えられる。
ハードなスモークは俺がボリバーだ!と強く主張しているかのようだ。

終盤は喫味がやや穏やかに収束する。
レザーが侵食してきてウッドを広く覆う。ダークチョコレートが立ち上がり、複雑なテイストはさらに奥へと広がり終局へいざなう。針のようなビターがアクセント。

30分で喫了。
初心者は小さく短いシガーを選びがち(勧められがち)だが、このシガーを手に取ったその先を見てみたい。
初心者には強烈な洗礼、スモーカーにはアイ・オープナー。ボリバーの真髄のひとつである。ハンターのいうこともよく分かる。

LABEL : Bolivar