Hoyo de Monterrey Petit Robustos '17

2020-02-06

手頃なサイズ、ライトな喫感でファーストシガーに選んだ方も多いのではないだろうか。オヨ・デ・モントレイ ペティロブストである。
2004年にリリースされて以来、傑作ショートスモークの名をほしいままにしてきたビトラである。

現在の主流である「太く・短い」シガーの契機ともなったこのシガー、Habanos S.A.の意図が透けて見えるようである。タイミング的に、ユーザーのニーズを把握するために市場に投入したのではないのか。そしてHabanos S.A.の目論見は当たり、以降世界中のシガー市場(もちろんノンキューバンも含む)は短くとも太く吸いごたえのあるビトラへとメインストリームが変移していく。

このシガーはRG50x102mm、ビトラ・デ・ガレラ:ペティロブストス(ビトラ・デ・サリダ:ペティロブスト)。
25本入りSLBか3本入りペーパーバックで販売される。

箱を開くと淡いウッドの芳香。オヨの特徴でもある。
5大ブランドの一角だけあって、このような短いビトラでもラッパーは手を抜いていない。コロラドのそれは葉脈が少なく美しく、白いリングによく映える。

ヘッドをフラットカットし、フットに火を回す。
白樺の焚き火の煙を思わせる芳香。喫煙するとまず感じるのは甘み。
浅いウッドの朗らかな味わい。アクセントほどのごくわずかなレザーが小気味良い。メイプルシロップ。ナッティー。
タッチは軽いが薄いという意味ではなく、メロウ。淡雪のような繊細さに、しっかりとした骨格が入っている。煙のテクスチャーははっきりして、なおかつ淡い。しかし旨味とコクは兼ね揃えている。

 


こういう一見すると矛盾する特質を内包しているのがハバノスの特徴だろう。そして喫煙中の味わい・香りの変化がその真骨頂だ。
中盤はナッツが立ち、アーモンドが強く放たれる。
乾燥した牧草のようなふくよかな味わい。小さく花蜜の甘みも現れ、アロマもいっそう丸くなる。

終盤はさらにナッツの主張が強くなる。
ホワイトペッパーと一体になったそれは旨味を舌に伝え、ハバノスはサイズではないと語りかける。濃い紅茶。豊かなブーケ。

45分で喫了。
軽さの中に旨味、味わいの中に淡さがある、Hoyo de Monterreyのライトなポジションを手軽に楽しめる濃厚な一本。
おそらくスモーカーのヒュミドールには必ず一本入っているはずだ。

LABEL : Hoyo de Monterrey