Partagas Serie D No.3 Edicion Limitada 2001

2020-08-27

大好評の2000年のエディシオン・リミターダの公開を受けた翌年、パルタガスはまたELを世に送り出す。このセリーD No.3がそうだ。
セリーとしては初めてのEL。ハバノスにとってはチャレンジの連続だったが、このシガーも市場の絶賛により迎えられた。

サイズはRG46x143mm、ビトラ・デ・ガレラ:コロナス・グランデス(ビトラ・デ・サリダ:グランドコロナ)。25本入りのドレスボックスである。セリーシリーズなのにSBNではなくスタンダードなパルタガスのドレスボックスなのが特徴である。

箱から葉巻を取り出し観察する。ボックスプレスで四角くなっている。
黒糖麩菓子のように真っ黒なマデューロラッパー。かなりオイリーだったのか、黒ずみが広がっている。香りは今でもタバコ香を放ち、古い襖のようなニュアンスもある。作りは非常に頑健で、20年近くを経た今でも破綻はない。

古いのでヘッドのダメージを考慮してパンチカットにするか……と考えたが、葉巻本来の味わいを知るにはフラットカットが一番だ。えいやっと切断する。
ヘッドに着火すると漂う、焦げた黒糖。

喫煙すると、素晴らしい喫味。
ボリュームのあるレザーとじんわり甘い黒糖、ほのかなビター。
パルタガス・セリーの美徳が全て備わっている。強烈なキャラクターは長い年月で質を変え、強いが重たくない、濃いがしくこくないタッチへ。
エスプレッソ、白墨、青いインクで記された古手紙の束。とても澄んだテクスチャで、雑味がない。


中盤はビターが遠のき、うま味が炸裂する。
塊感のある黒糖はそのまま、何かのデザートを食べているかのような錯覚。
あと引く味わいはどうしても突っ込みそうになるのを押し止めるのに苦労するほどだ。味わいは非常に立体的で端が見えない。ビターキャラメル。

終盤、ブローすると花のような芳香が嵐のように巻き起こる。
序盤から味蕾が刺激されっぱなしだったが、葉巻が短くなるにつれそれは強くなっていく。
レザーとコーヒーの奔流。
最後に白粉の残り香を漂わせて燃え尽きた。

60分で喫了。
パティシエが作り出したような一本だ。
新作ですら入手がだんだん困難になっていくELだが、古い年代のものは珠玉としか言い表しようがない。美味しく吸えるうちに火をつけよう。

LABEL : Partagas 【Edicion Limitada】