El Rey del Mundo Tainos 2019 ER Taiwan

2020-08-14

レイ・デル・ムンドのタイノスは非常に評価が高かったシガーだが、2006年に廃盤になっている。それがエディシオン・レヒオナルで復活をとげた。
販売国はなんと台湾(!)。いつものアジア・太平洋地域ではなくはっきり「Formosa」と銘打たれている。中国とズブズブのキューバにしては非常に大胆というかなんというか。
それにしても香港、台湾のERが登場するということは日本単独も期待が持てる。出たからどうだというわけではないが。

他のタイノスと名のつくシガーと同じ、サイズはRG47x178mm、ビトラ・デ・ガレラ:フリエタ No.2(ビトラ・デ・サリダ:チャーチル)。10本入りのニス塗りSLBが8888箱販売された。中華圏は本当にこの末広がりが大好きだ。オーダー元はいつもの通りパシフィック・シガー・カンパニー。

葉巻を確認する。
ラッパーはやや濃い目のコロラド。ウッドの芳香をぷんぷんと放っている。スモーカーは唾液が湧く系のあれだ。表面にオイル分はあまりない。黄色いリングに、ダブルリングの「Formosa」の字が誇らしい。

ヘッドをフラットカットし、フットに火を回す。ふんわり優しく白粉の香り。
喫煙すると、透き通ったウッドが貫通する。爆発的なうま味でなく、RDMの特徴である、しみじみとじわじわくるうま味。カシューナッツがメインに回り、わずかにビターやホワイトペッパーがアクセントにかもし出される。ミディアムライト。煙の奥にはフルーティなテイストも隠されている。アメリカンレッドチェリー。クルミ。香木。


中盤、ウッドが深まり白粉がちらほら顔を見せてくれる。
吸い方により交互に顔を出すウッディーとナッティーの奥行きが素晴らしい。非常に立体的で、手探りするほど引き込まれていく。
フローラル。軽くシイタケのようなうま味。アーモンドの皮。

リングを外して終盤、ブローすると香りの良い焼きたてのパンのような芳醇さ。
白粉も勢いを増し、凄まじいブーケが花開く。
甘みが増し、花束の中に顔を突っ込んでいるかのような錯覚。
60分で喫了。

El Rey del Mundoの中でも華やかなシガー。
華美というより、しっとりとした華やかさで落ち着きと趣き、気品を感じさせる。
アジアERのレベルもここまできたか、と感無量だ。

LABEL : El Rey del Mundo 【Edicion Regional】