La Escepcion Selectos Finos 2011 ER Italia

2015-06-03

 
Edicion Regional(エディシオン・レヒオナル)とはHabanos S.A.が2005年に発売を開始した各国市場の限定ビトラで、グローバルブランド以外のニッチ、マルチローカル、ローカルと呼ばれるカテゴリーのブランドからリリースされる。
それぞれの市場ごとのテイストやサイズの好みに合わせて生産されるらしく、また箱にも通し番号がつく数量限定のものだ。通常ラインナップのビトラとは銀縁の赤いダブルリングがつけられ区別される。
このラ・エスセプシオン セレクトス・フィノスはイタリア市場限定である。
ドイツやイギリスやイタリアなど有力なディストリビューターはキューバに専任のスタッフを派遣して、自国のレヒオナルのブレンドの指定を行うとも言われている。ERは市場ごとの好みや思惑が味わえる、魅力的なラインナップだ。
 
ラ・エスセプシオンというブランドはちょっと複雑で、このブランドは1989年には販売を中止していたブランドだ。
1850年代、非常に古い時期に生産を開始し、オヨ・デ・モントレイの妹分として長く愛されてきた(旧リングを見るとオヨのリングに非常に似ている)。
今回、イタリアのディアデマ社がイタリア市場ERのためにこのブランドを一時的に復活させたという。Habanos S.A.のサイトにもこのようなページがある。
 
サイズは38×166、パレホス(パナテラ)という古きよきハバナを偲ばせるクラシックなサイズ。

葉脈の薄い美しいラッパーに包まれ、エレガントな雰囲気。

カラーはコロラド。黒のメリハリの利いたリングと相まってなかなか精悍である。
香りは若々しい強いウッド。アンモニア臭などはなく、みずみずしい生命力を感じさせる。
フラットカットでヘッドを咥え、空吸いしてみる。細めのサイズだがドローは上々。じっくりとフットを炙る。
 

古オークの芯を燃やした香りが鼻を突く。そして、ひと吸い。
溶かしたチョコレートとスペイン杉が口腔を直撃する。唾液腺が刺激されて犬のように涎が口中にあふれた。もうひと口。
ダークカカオの薄皮の下に、スパイシーな木質感、そしてペッパー。そして黒土、鞣革を感じる。
雑味はなく、直線的な味の伸びを、そして旨み、コクを感じる。サイズの割りに煙量は豊かだ。
強く喫煙すると胡椒が伸び上がり、穀物殻がじわじわ焦げながら燃えるテイストを感じた。喫感はミディアムフル。灰はやや黄色みがかったホワイトグレー。
 
黒胡椒をぱらぱらと落としたダークチョコレートを削ったばかりの杉の匙ですくって啜る。
そんなふうにいえるだろうか、この味わいは。
中盤はペッパー感が和らぎ、ウッディな味感が前面に出てくる。
心地よいアロマにしばしぽわわ~んとたゆたう。
 
終盤、もう一度ペッパーが立ち上がり、テイストが複雑になる。
葉巻内部が蒸れて、最初の頃より柔らかな味わいへと変化した。
カカオの深みがどんどん広がる……。
 
80分で喫了。
ERではないエスセプシオンを吸ったことはないが、どこかに隠れていないだろうか。ぜひ吸い比べてみたい。
このERは2000箱限定との事だが、探して吸ってみる価値はあると思う。なんともエレガントな80分だった。

LABEL : La Escepcion 【Edicion Regional】