San Cristobal de la Habana Harimau Malaya 2020 ER Malasia

2022-06-13

ハリマオ・マラヤ(マレーの虎)はマレーシア初のエディシオン・レヒオナル。
昨今はアジアブロックへハバノスS.A.が注力してるのをひしひしと感じるが、大きな売上を持つ中華圏へ販促をかけるというのは商業上当然の行為だろう。

マレーシアERという形だが、アジア全域で提供されている。
10本入りSBNが8888箱製造された。2014年にリリースされたアジアERのブシドーと同じように、金黒の紙製の外箱に収められている(今気づいたが、ブシドーを掲載するのを忘れていた。うっかりしていた)。
サイズはRG55x130mm、ビトラ・デ・ガレラ:モンテスコ(ビトラ・デ・サリダ:ロブスト)。おなじみのワイドチャーチルと同じビトラである。このビトラにはダブルリングしかない。

箱を開けると、艶っぽいマデューロのカマダ。
サン・クリストバルのERはまだ物珍しい。ラ・カバーニャに次いでまだ二作目だ。あまり見慣れないので、サン・クリストバルにERのダブルリングは新鮮に映る。
ラッパーに油分が滲み出し、オイリーなタバコ香が喫煙欲をあおる。

太いヘッドを一気に切り落とし、フットに火を回す。大きなリングゲージは片燃えしないように手早く均一に広げるのが肝だ。
紅茶のような芳香が広がる。
喫煙すると白樺。ほのかな甘みを含んだウッドが口腔を満たす。
花蜜のような華やかさとクリアなナッツのうま味。決して派手ではないが、その太さからくる煙量により強く訴えかけてくる。ミディアムライト。

 


植物系の出汁のうま味は振幅が広く変化に富む。太ければフィラーが多く重ねられるので、分かりやすく立体感が増す。
白粉のタッチも軽やかに、白いアロマに囲まれる。

中盤はややソリッドなテクスチャも垣間見せる。
ふくよかなナッツと甘みは序盤から芯として変わらないが、燃焼温度、吸い方、葉巻の長さで刻々と変化するスモークが飽きさせない。
太いシガーは大味などというものはハバノスに通用しない。
それこそハバノスマジックの真骨頂だろう。

終盤はさらに花の芳香が増し、短くなっても繊細さが保たれる。
ブローするとさらにコクが豊かになる。葉巻の短さが恨めしいほどだ。
60分で喫了。
新しい国向けのERの期待はいやがおうにも上がるものだ。ハリマオはその期待に充分に応えるものだ。
アジアで手に入るということを踏まえると体験しやすいシガーといえるし、一箱買っても損はない。

LABEL : San Cristobal de La Habana 【Edicion Regional】