Partagas Serie D No.3 Edicion Limitada 2006
2026-03-31

パルタガスのエディシオン・リミターダであるセリーD No.3は二度作られた。
一度目は2001年。そして二度目となる2006年のこれである。
人気ゆえに再販するという事だったようだが、人気ならエピクール・エスペシアルやマグナム50のように通常のラインナップに加えればいいと思うが。まさか天下のハバノスにネタ切れということはあるまい。
サイズも何もかも2001年のものと全く同じ、RG46x143mm、ビトラ・デ・ガレラ:コロナ・ゴルダ(ビトラ・デ・サリダ:グランコロナ)。異なるのはこちらは25本入りSBNで、2001年の方はドレスボックスだ。まあ、それくらい区別をつけてくれないと後々困る。
香りは淡くレザーとウッド。ラッパーは濃いめのコロラド・マデューロで、表面に触れるとかつてはオイル分が染み出し、揮発したのがわかる。
面白いのは黒金のELリングで、この年は他にコイーバ・ピラミデス、モンテクリスト・ロブストがリミターダとなったが、いずれも他の年にはない「おかしな」リングだ。なんというか、数字のフォントが非常にしょぼい。当初は偽物かと疑われたくらいだが、次の年には直っていた。印刷の発注先でミスでもあったのだろうか。
ヘッドをフラットカットし、フットに火を回す。
焦げた白樺の皮の芳香。
喫煙するとビターと甘さが背中合わせになった、生クリームのシュークリーム。非常に香り高い。
舌先にガツンとくるキックは、20年を経たとは思えない力強さ。
その向こうに古い日本家屋、黒インク、杏仁、ピーカンナッツ。レザーが背後に広大に伸び、重厚な立体感と変化を見せる。ストロング。
ドライなタッチで、澄んだテクスチャ。経年変化で土中から骨だけが発掘されるように、味わいの強固な骨格のみが浮き上がり、ストレートに味覚を蹂躙する。熟成肉のうま味。むせるようなブーケだ。

中盤はトーンが緩やかになり、そろりとかすれた白粉。
レザーが存在感をじわりと増し、乳酸菌飲料のような僅かな酸味と爽快感。
枯れ感と出汁感が複雑に絡み合い、没頭の坩堝へ突き落とされる――
気づけば終盤、ウッドが強めに主張しだして喫感も強めに戻りだす。
ブローすると白粉とパヒュームが炸裂する。本当に香水でも仕込んでいるのか?という香りに、文字通りむせ返る。
原木生椎茸。風邪薬のシロップ。味覚の洪水だ。
60分で喫了。
20年といえば葉巻の寿命的に完全に抜けていてもおかしくないが、魅惑的なテイストとアロマに完全に翻弄された。これがキューバンマジック。
こうなるとさらに3年、5年、10年……とどうなるのか見てみたくなるのが人情。とにかく吸う葉巻と熟成させる葉巻、これの両立が葉巻には必須となる。
こうして葉巻を眠りにつかせ、スモーカーは夢を見るのである。







