Diplomaticos No.5 '08

2015-06-03

ディプロマティコスNo.5はNo.2とERしかないこのブランドで、最も小さいビトラだ。

サイズは40×102、ペルラス(ペティコロナ)。
2010年に廃盤になっている。
 

箱を開き、一本取り出す。紙の香りが強い。化粧箱の匂いだ。

ラッパーの色はコロラド。表面は油分を失いカサカサしている。
フットは四角く、ラッパー自体もややヨレている。
対比させるのはやはりモンテクリストNo.5だが、葉の質ではモンテに軍配が上がる。
 
フットを焦がすと、ウッドが香る。予想通りのファーストタッチだ。じゅうぶんにフットを燃やし喫煙する。
いきなり白粉とビター。予想外に深いウッドに声が上がる。
ドライマンゴーの甘みとコク、ほのかに香木。ミディアム。
 

強喫煙すると化粧香がきつく立ち上がり、その鮮やかなパヒュームが顔を覆うとディプロマティコスというシガーのキャラクターが一体どういうものなのかありありと理解した。
 
中盤、したたる程のウッド感が湧き出てくる。
サイズが小さく吸引のコントロールが簡単なので、喫煙の強弱を思うように操作できる。
それにより変化に富んだこのビトラが、さらに豊かな表情を見せてくれる。
小麦菓子、鞣し革、レーズン、アーモンドの皮、白墨……息つく暇もない。
 
終盤、ナッツの甘みとレザーが表に立ってくる。
葡萄の皮と濃いコーヒーを残し、30分で喫了。
 
小さな体躯に、これだけの味わいと旨みを破綻なく詰め込んだ、恐るべきビトラだ。
もっと吸いたい、と思わせる味とこのサイズで、ディプロマティコスNo.5の姿を見る事は既に稀だ。このシェイプもマストシガーと言える。

LABEL : Diplomaticos