Vegueros Seoane 00s

2016-05-06

ベゲロス セオアンは旧ベゲロスのビトラ。

5本入りペーパーパック(カードボードパック)で、97年から2012年まで販売されていた。だが、終盤にはすでに市場に出回っていないというハバノスのいつものパターンで、値ごろ感も手伝いあっという間にその姿を消してしまった。2016年現在、市場ではまずお目にかからない。

なお原語では「セオアネ」が近いがセオアンでもじゅうぶん通じる。

サイズは36×125、セオアン(スモールパナテラ)。リングの横に「キューバ」「ピナ・デル・リオ」がつく明るいグリーンの旧リングだ。

色はやや濃いめのクラロ。香りはペーパーパックのため、ほとんど吸われて若干紙の匂いが移っている。ラッパーには細い葉脈が筋として通っている。キャップはがっちりきつく巻かれている。

 

フットを咥え空気を通して確認し、フラットカット。一番の懸念だったドローは幸い問題ない。このくらいの古さの細めのビトラは、ドローが悪い事がままありその場合は手に負えない。

 

フットを焦がすと、甘いふんわりした草系の香りが漂う。

喫煙する。

鋭く刺すような焦げ感と、黒土まじりの若々しい青草。ウッドとレザーの割合は低い。

ほのかな甘みは花系、蜜に近い。ボディが強い。フルボディ。

ビターとアーシーがメインノートで、アフターにチョークやインクが見え隠れする。コクが強い。

黒い灰を落として強喫煙すると、インクつぼをひっくり返したかのような強烈な喫味が湧き出る。アフターは太く濃くなり、口腔にいつまでも存在感を残す。これだけの期間を寝かせても、この強さは驚嘆する。サイズもそんなに大きいものではないのに。やはり葉、シガーの全ては葉が決める。

中盤は喫味がやや和らぐ。和らぐといってもボディは変わらない。

鼻に抜けるきついパヒュームの正体は香水だった。何の前触れもなく現れ、鼻腔と舌を痺れさせる。香水のテスターを口の中に含んだような錯覚。

 

長さが短くなればなるほど、こんこんと香りが溢れ出てくる。不思議だ。

コーヒー粉のようなニュアンス、吹き戻すと現れるほのかな花。小さな身体に驚くような秘密を隠していた。

 

30分で喫了。小さな葉巻にしじゅう翻弄されっぱなしだった。

マレバも同じような事を書いたが、見つけたら即入手をおすすめする。Veguerosは他のブランドにはない、特別なものを秘めている。

LABEL : Vegueros 【Aged】