Saint Luis Rey Double Coronas '06

2016-06-23

サン・ルイ・レイ ダブルコロナスは2001年にリリースされた。2006年まではノーリングで、50CABのみでの提供となっている。

サイズは49×194、プロミネンテス(ダブルコロナ)。サン・ルイ・レイ最大のビトラである。

 

一本取り出して鼻を近づけると、割り出したばかりの薪の芳香。ほんわかレザーも感じる。

ラッパーは張りがありやや硬く、濃いめのコロラド。経年変化でややラッパーが浮いている。フットは丸い。

 

フラットカットして空吸い、ドローは問題ない。ダブルコロナで鬼ドローは心が折れるので、事前のドローチェックは重要だ。

 

ぶくぶくと甘い糖蜜が焦げる匂いがフットから立ち昇る。

喫煙する。やはり甘い。じんわりと染み出てくるような甘さで、大木の幹にジワジワと浮かんできた甘い蜜を舐めとっているような感覚だ。

乾燥した杉のベニヤを背景に、ナツメグ、チェリー、白あんが口中で踊る。レザーやカカオのニュアンスが味蕾を刺激し、豊富な煙量で翻弄する。ミディアムフルボディ。

 

美しい白い灰を3センチ程で落とし強喫煙する。白粉の爆弾が破裂し、瞬間湧いた自分の唾液で溺れそうになる。

中盤は白粉ベースのウッドが無辺大に広がりを見せる。長大なビトラなので、ときどき吹き戻してやるとアクセントに白胡椒がふんわり香る。

ボリバーやパルタガスとはニュアンスの違う、力強いが長閑な一面を見せ、だが気を緩めるとウッドの奔流に押し流されそうになる。その波に乗り身を任せると、懐の深いダブルコロナに抱かれて揺蕩う陶酔が待っている。

 

強いボディの中にもメロウな雰囲気を楽しんでいるともう終盤。はっきりとピカンが立ち上がり、甘みは薄まりウッドが場を支配する。

ペパーミントのような爽やかな喫味も現れ、終局に向かってめらめらと燃える。味わいは濃くなりフルボディへ。

70分で喫了。

ダブルコロナを味わうには技術と時間が必要だ。だが、サン・ルイ・レイの魅力を余すところなく伝えてくれるこのシガーは手に取る価値がある。

わき上がる紫煙を眺め、1940年代に生まれたこのブランドの歴史を感じる時間をぜひ過ごしてもらいたい。

LABEL : Saint Luis Rey 【Aged】