H.Upmann Connossieur A Habanos Specialist Exclusive 2013 '13

2016-07-28

コネスールAは実は「ハバノス・スペシャリスト・エクスクルーシブシリーズ」のひとつだ。このラインは一応スペシャルラインとなっており、2012年サンクリストバルのトレオン、2014年のララナーガのピカドレス、2015年パルタガスのマデューロNo.1、2016年パンチ・パンチ48と合わせて4種類がリリースされている。

このシガーは2013年にリリースされ、25CABのみでのパッケージングとなっている。ひと目で分かる特徴はそのリングだ。

サイズはRG52×140mm、ビトラ・デ・ガレラ:ヘニオス(ビトラ・デ・サリダ:ロブスト・エクストラ)。

 

一本取り出して観察する。軽めのコロラドラッパーは色鮮やかで瑞々しい。葉脈も薄めで溌剌とした印象だ。表面にはオイル分が浮き出し、指につくと独特のきしみがする。

なんといってもその大きなリングの存在感は強力だ。ひとつでダブルリングくらいはあるんじゃないかというサイズのリングがギラつき、このシガーをさらに若く見せている。

鼻を近づけるとふんだんにウッドを放ち、フットから漂うくっきりしたタバコ香はいやがおうにもスモーキングの期待感を上げる。

 

フットを炙る。ザラメとウッドが立ち昇る。喫煙すると、お菓子の国にでも放り出されたような甘みに支配された。

骨子であるウッドは太い。そこにねっとりと粘度の高い甘みが肉付けされている。ココアパウダーを振った生クリーム。ナツメグ。塩レモン。真新しいレザー。さまざまなテイストだがバラバラに散って激しく自己主張しているわけではない。すべて統率がとれ、上品に結合している。ミディアムボディ。

3センチほどで白い灰を落として強喫煙する。顔じゅうが白粉にまみれた。

中盤、焦げ目の多いトーストのビターとほのかな甘さに変化していく。このトースト感……!アップマン特有の中庸な優しさ。決して出しゃばらない、ふわふわと実体のない、しかし押せば返す弾力性のあるこの旨みとコク。ともすれば完全に脱力してイージースモーキングも可能なこのシガー、芯にはしっかりしたウッドが腰を据えている。

 

リングゲージとその長さ、ブランドの特質も相まって、ふっくらと豊潤な煙のタッチが楽しめる。万人受けするテイストだろう。強弱を付けた喫煙により、様々な表情を見せる懐の深さや、立体感も持っている。万能選手、そんな言葉が浮かんでくる。

 

終盤には濃い紅茶のようなニュアンスを放ち始める。ウッドが立ち、脇をレザーがしっかり固める。吹き戻すと爽やかにウッドが開き、最後までスッキリとシガー本来の旨みが楽しめた。

 

70分で喫了。

まだ潤沢に市場に出回っているので、一本吸ってみるのをおすすめする。もちろん、気に入ったら熟成させても良い。デイリーシガーにしたいくらいのキャラクターだ。このビトラのベンチマークと言って差し支えないだろう。

LABEL : H. Upmann 【Special】