La Gloria Cubana Medaille d'Or No.4 '02

2016-08-18

8-9-8ボックスほどスモーカーの気持ちをはやらせるものはないだろう。昨今ではパルタガスがその代表格ともいえるが、グロリア・クバーナにはメダーユ・ドールNo.2とNo.4がまだ現役で存在している(かなり生産数を絞っているのか、ずいぶん見つけにくくなったが)。

 

サイズはRG32×152mm、ビトラ・デ・ガレラ:パルミタス(ビトラ・デ・サリダ:スリム・パナテラ)。

コロラド・マデューロのラッパー。表面は経年変化で痩せ、葉脈が浮き出している。染み出たオイル分が指にまとわりつく。古民家を思わせる香りを発し、変色したリングは耐えてきた時間を語りかけてくる。

空吸いしてフラットカット、フットを咥えて吹いて粉を飛ばし、さらにヘッドを咥えて吸い込みドローをチェックする。フットに火を当てると、ビターな煙が立ち昇った。

喫煙する。ぱっと花が咲いた。

キャラメルとガス香に襲われた。香ばしい、若々しいウッドはそのリングゲージからは想像できないほど太くたくましい。

何より素晴らしいのはそのパヒュームだ。香りのクバーナと言われるが、その真骨頂だ。顔に香水を吹きかけられたような鮮やかなアロマは、むせかえるような百合の花園を彷彿とさせる。栄光のキューバ!

口腔奥でざわめくウッドは、ミディアムボディ以上の存在感を放ち、しびれるようなたゆたうような恍惚を放つ。煙を吐いた後のアフターの化粧香は、女性の胸元に頭を抱かれているような感覚すらおぼえる。

中盤には大木を絞って滴り落ちたような甘いウッドがひらめく。強喫煙すると香水と白粉がばたばたと羽ばたき、青リンゴのみずみずしい皮が光る。きな粉。香木。

 

リングを外して終盤、吹き戻すと鼻を突くように強烈な化粧香。もはや何も言うことはない。このシガーの前では言葉は無力。14年経って箱を開けてみたら、そこにはシガーではなく花束が収まっていた。40分の奇跡。

LABEL : La Gloria Cubana 【Aged】