Bolivar B-2 2010 ER Canada

2016-09-13

ボリバー B-2(ビーツー)。形式番号だけのような名前はハバノスにはめずらしい。
カナダ限定のシガーで、2010年に25本入りドレスボックスが1000箱生産された。数としては生産数が少ないERだ。
サイズはRG52×156mm、ビトラ・デ・ガレラ:ピラミデス(ビトラ・デ・サリダ:ピラミデ)。

古い日本家屋系の、湿り気を帯びたウッドの香り。
ラッパーはややくすんだコロラド。葉脈は少なく、なめらかな肌触り。フットを吸ってみるとドローは通る。ピラミデは熟練度の高いトルセドールしか巻けないので、ドロー不良はごくわずかだ。


フットを炙る。緻密な木質系の煙が立ち昇った。喫煙すると、軽やかな甘みで視界が一気に明るくなる。
穀物系の丸い甘み。ウッドをベースにひかえたそれは薄く広く、しっかりと舌に感じられる。
香りの強い蜂蜜、シダー、ピカン。アフターに岩塩を感じさせるような味わい深い塩み。フルボディ。
上顎に層をなすナッツの旨みがとてもジューシーだ。4センチ程で黒っぽい灰を落とし、強喫煙する。
わずかな胡椒感を伴う、分厚い年輪を刻んだ巨木を感じさせるウッドの塊。
ドライな質感の煙はあとを引き、旨みもコクも深い。

そのまま突っ込んで喫煙していると中盤に甘みは粗糖のような味わいに変化した。ウッドも水分を失った薪のような輪郭のはっきりとした形に変わる。喫煙をコントロールしていると、ここだというところで粗糖が蜜となって垂れ落ちてきた。強烈な旨み。

終盤は吹き戻しと喫煙を繰り返し、ボリバー独特のペッパーを感じさせるウッドのアロマが楽しめる。味わいは収束していき、幻影から現実へ戻る時間を教えてくれる。


栗の渋皮のようなニュアンスを漂わせ、70分で喫了。
カナダはERが多い国だ。土台となるブランドの味わいの特質をおさえ、ERを吸い比べる事はスモーカーに極上の喜びをもたらしてくれる。

LABEL : Bolivar 【Edicion Regional】