Juan Lopez Obus 2007 ER France

2016-12-14

オブースは名前の通り、榴弾砲のような体躯だ。フランス限定のこのシガーは2006年に25CABが3000箱、翌2007年には10本入りのSBNが4000箱生産された。人気の高いシガーである。25CABを見れた人はラッキーだ。

名前の通り、ビトラはビトラ・デ・ガレラ:カンパナス(ビトラ・デ・サリダ:ピラミデ)。サイズは52×140だ。
ラッパーはコロラド・マデューロ。

香りは明るめのウッド、その奥にすでに糖蜜のほのかな香りがある。表面に染み出た精油分が熟成されたシガー特有の「てり」を生んでいる。真珠や宝石に「てり(照り)」は重要な要素だが、シガーにもそれは当てはまる。

このように10年を経てある程度のRGのシガーは、基本的にドローは問題なく通る。フィラーやバインダーが痩せるからだ。このシガーもご多分に漏れずそうだが、古いシガーは保湿力を失いがちなので、結果的に切断したヘッドから口中に粉が入りやすい。それはいやなのでフラットカットしたあと、フットを咥えて息を吹き粉を飛ばす。
着火すると予想通り、蜜が立ち昇る。黒蜜だ。

喫煙するとほのかにビターなキャラメルが口中に溶けて広がった。
きな粉のコク。綿菓子。切り出したばかりの杉板。酸味のあるコーヒー。そしてアフターのメタリック感。

喫味はミディアム。旨みが深く、舌の付け根からじわりと唾液が染み出してくる。
強喫煙するとふんわりと白粉を放ち、アフターにグリーンペッパーを感じた。

 


燃えるいがぐりのようなアロマが立つ中盤、白粉がじわじわと広がりだし口腔と鼻腔を染める。
喫味はやや太くなり立体感が増す。喫煙の方法に変化を加える事により、テクスチャーもわかりやすく変わる。優等生のハバノスだ。

甘みはやや薄まり底の方に沈み、ウッド系のテイストが幅を利かせてくる。ライムピール。湿った巻き藁。

終盤はまた綿菓子のような甘みが盛り返す。
胡椒と甘み、そのコントラストに振り回されて短くなったシガーを吹き戻し、コントロールしながら味わう。カントッチョ、乾燥した杉の葉、深煎りコーヒー。

50分で喫了。
何度でも言うがヨーロッパ向けERのハバノスは素晴らしい。
ファン・ロペスを土台に縦横無尽に変化するテイストの幅が段違いだ。そのブランドのシングルリングの基本的な特徴を押さえてERにチャレンジすると、さらに理解が深まる。

LABEL : Juan Lopez 【Edicion Regional】