El Rey del Mundo Elegantes 2010 ER Suiza

2017-02-10

エレガンテスという名前のレイ・デル・ムンドは、このERの前に別のビトラで出ていた。
それはRG28×175mmというスリムなビトラで、60年代から2002年にディスコンになるまで生産された。当時の流行のシェイプである。
時は流れて2010年、スイス限定でその名前を冠したレヒオナルが登場した。
サイズはRG50×141mm、ビトラ・デ・ガレラ:ゴルディトス(ビトラ・デ・サリダ:ロブスト・エクストラ)。25本入りSLBで2400箱が生産された。

一本取り出して香りをかぐ。豊かな木の芳香を放つ。すでに甘い香りが立っている。
コロラドのラッパーは表面にオイルがにじみ出ており、触れたあと指をこすり合わせるとキシキシする。フットを吸うとドローが通る。というよりドローが悪いエディシオン・レヒオナルを見た事はない。

フットを炙る。立ち昇るウッド。
喫煙すると、焦げ感のある野趣溢れた凄みのあるウッド。芯に蜂蜜のような強い甘みがある。
味わいはすぐにどっしりと落ち着き、白檀、白粉、ローストナッツ、コーヒーが立ち上がる。強喫煙すると南国の粘性のある果実のような甘みが走った。
味わいが膨らみ伸び縮みし、様々なテイストを行ったり来たりする。立体的なその構造に心行くまでもてあそばれる。ミディアムライト。

 


中盤には喫味はライト寄りに変化する。白粉が広がってきて、鼻腔を突き抜ける。香り高いこの絶妙なウッドはまぎれもなくレイ・デル・ムンドだ。
豊かな煙量に周囲がけぶり、広大な秋の野原でひとり焚き火をたいている幻想が浮かぶ。牧歌的なそのイメージはこのシガーがかき立てたものだ。

さあ、レヒオナルリングを外してから、さらにお楽しみの時間が待っている。
ややミディアム寄りに戻り、さらに情緒豊かなウッディーに抱かれる。
吹き戻すと白粉の嵐が吹き抜ける。
ウッドが昇華したその味わいは、高品質なシガーでのみ味わえる醍醐味だ。ヨーロッパ向けERはグレードアップしたブランドの持ち味を存分に楽しめる。

60分で喫了。終始落ちついたスモーキングを楽しめる。
吟味されたレシピでシガーの内部がしっかり一体化・均質化し、クリアで立体的なシガー体験が出来る。
スイスERには「端正」という言葉が相応しい。

LABEL : El Rey del Mundo 【Edicion Regional】