オヨ・デ・モントレイ ル・オヨ・デュ・プリンス。長い名前だ。たいていは「ル・オヨ」が省略される。
100本入りから5本入りまでさまざまなパッケージングで親しまれてきたが、最終的に残ったのは25本入りSLBのみ。

サイズはRG40×130mm、ビトラ・デ・ガレラ：アルムエルソス（ビトラ・デ・サリダ：コロナ）。耳慣れないファクトリービトラだが、コロナの範疇に入る。そして他ブランドのコロナと同じく、消え行く定めだ。2017年現在、ディスコンリスト入りの情報がある。

ラッパーはゴツゴツとして節くれだち、濃いめのコロラド・マデューロ。決して良い外見とは言えない。
そのダークな見た目とコントラストをなす白いオヨのリングが鮮やかだ。むっと漂うタバコ香が喫煙欲をかき立てる。

フットを炙ると、立ち昇る煙は強めのウッディー。
喫煙する。濃厚なウッドがパワフル。ダークカカオが強烈。ウッドが内包するビターやレザーをかき分けると、チョコレートの豊かな甘みがある。立体感が深い。
輪郭のくっきりした味わいはタバコ感の強さも合わさり、舌をがっちりと根で絡みとられたような印象を残す。喫味はミディアムでコクが深い。
 

強喫煙すると煙は白粉を帯び、ドライな感触になる。ボディも太くなり、どっしりと腰を据えた喫味はエレガントなオヨのリングからは想像もつかない。
中盤は甘みが和らぎ、ソリッドなウッドが楽しめる。
アーモンドの皮、古い牛革、アフターはメタリックなニュアンス。背景には濃いタバコ感。
そうこうしているともう終盤だ。
喫味はさらに強さを増す。短くなったシガーはさらにタバコ感を増し、爽快なミントも現れて喫了まで一直線だ。

60分で喫了。
Le HoyoはEpicureラインとはブレンドが異なる。
ライトなEpicureと対比をなすこのラインもオヨ・デ・モントレイの顔だ。ライトからフルまで幅広い顔を持つこのブランドを好むスモーカーが多いのは、当然の話と言えよう。