Cuaba Piramides Edicion Limitada 2008

2017-07-28

ペルフェクト以外のクアバは実はこのエディシオン・リミターダしか存在しない。ダブルリングもこれひとつのみだ。
元来高度な技術が要求されるペルフェクトをアイデンティティとするブランドであるクアバからのELがピラミデというのは、かなりの驚きを持って迎えられた。
センセーショナルな発売から9年、後にも先にもクアバのELはこれだけ、というオンリーワンの多いシガーである。

サイズはRG52×156mm、ビトラ・デ・ガレラ:ピラミデス(ビトラ・デ・サリダ:ピラミデ)。ドレスボックスに10本入りの形で提供された。
マデューロのラッパーは表面に染み出したオイル分の残滓があり、生産当時はじっとりするほどオイリーなラッパーだったと簡単に予測できる。
がっちり締められたヘッド。フットに鼻を近づけるとこもるようなタバコ香が香る。
葉巻自体は痩せてリングがスカスカだ。ヘッドをフラットカット。フットに火を灯す。

漂う甘めの煙。喫煙する。
淡白か?と思った瞬間に喫味に立体感が戻る。
ビターを核に、タンニンの立ったウッド。粒あん。柏餅。なぜだろう、舌から送り込まれる情報に脳は和菓子ばかりを連想する。

 

 


ミディアムフル。うま味は強い。3センチほどで灰を落とし、強喫煙する。
煙はサラッとしたタッチとなり、ナッツ分が強く出てくる。アフターはやはり餡子だ。
口腔奥を通るときキンと音でもしそうなメタル感。

乾いた餡子とメタル。
それが強烈にあと引く理由だ。芳香も非常に華やかでなんとなく質実剛健なイメージのクアバとの対比が非常に明るい。口蓋と舌に感じるタッチにギャップがあり、その正体を追ううちに湧き出た唾液でぼんやりかすむ。その繰り返し。

終盤はカシューナッツが幅を利かせてくる。
絶妙な枯れ感とセメダイン的な風味が濃いウッドを彩り、年月を経たELが見せる風格は充分。

60分で喫了。
ELの中でもあまり人気がなかったのか、発売からかなり時間が経っても色々なところで売られていた。しかしそろそろ10年というところでさすがに市場では見なくなってきた。手に取るに値するシガーだ。

LABEL : Cuaba 【Edicion Limitada】