Saint Luis Rey Marquéz 2016 ER Cuba

2017-08-13

デリシオソス、インファンテス、エクセレンシアに続く4番目のキューバ・レヒオナルに選ばれたのはサン・ルイ・レイ。名前はマルケス。
セミ・ボワト・ナチュールに10本入りで7500箱が生産された。
Habanos S.A.の名でオーダーされるキューバ限定のシガーは入手経路が限られているが、非常に人気のためあっという間に市場から無くなってしまう。キューバ限定のキューバシガーだ、その付加価値だけでもスモーカーの食指が動くのも無理はない。

サイズはRG54×150mm、ビトラ・デ・ガレラ:ヘニアレス(ビトラ・デ・サリダ:ロブスト・エクストラ)。
箱を開けるとウッドとタバコ葉のほのかなニュアンス。フットを空吸いするればドローの良さを感じられる。
コロラドラッパーは滑らかな肌触りで、オイリーな表面を感じられる。

フットに着火すると、湿った広葉樹の焚き火の香りが立ち昇る。
喫煙する。ウッド由来の心地よい甘み、真新しい薪の火、レザー。浅煎りのコーヒー、チェリー、わずかに香水のニュアンスにビター。
豊かに広がる無辺大のウッドはさまざまな種類の樹の焚き火を想起させ、一瞬で自分が山の奥深くにでもいるかのような錯覚を見せる。喫味はミディアム。
サン・ルイ・レイ最大のリングゲージ、煙量は豊かで前のめりになる。軽く灰を落とし、強喫煙するとうま味成分のきつい甘みが滴り落ちてくる。味蕾がじくじくと刺激され、唾液が止まらなくなる。


主張は控えめだがボディが太く喫味も骨のあるサン・ルイ・レイの特徴をそのままに、さらに数段緻密さを加えたような味わい。
エディシオン・レヒオナルはただ吸うだけでも美味しいが、ブランド固有のキャラクターを押さえているとさらに楽しさが加わる。

中盤、葉巻内部が蒸れてきて吹き戻して喫煙すると、鮮烈な竹のようなテイストが一瞬通り過ぎる。
広大なウッドと固い桃のようなニュアンスと快いパヒューム。ERリングを外し、ぐっと背もたれに身体を預けて心ゆくまで喫煙を楽しむ。そうせよ、とシガーが語りかけてくるようだ。

煙に揺蕩っていると終盤、ビターのニュアンスが変化したのに終わりを感じさせる。
じりじりと高まるペッパーがそのサインだ。キューバの夢から醒める時だ。
60分で喫了。
慎ましく自制された端正さの中に、抑えられないふつふつと涌き上がる喫感はパッションと呼べば良いか、キューバのタバコ農場で寡黙に働くベゲロの姿がだぶる。

LABEL : Saint Luis Rey 【Edicion Regional】