Montecristo No.3 '12

2017-08-21

スタンダード中のスタンダードなシガー、モンテクリストNo.3。スモーカーなら誰もが避けて通れぬシガーだと思う。
ハバノスで長年売上一位を独占してきたブランドの為か、モンテクリストはディスコンになるビトラが非常に少ない。
1935年ブランド設立という歴史の浅さもあるが、過去にNo.6、No.7、Bが廃盤となっただけだ。ピッグテールが特徴のNo.6とNo.7はディプロマティコスも同じように削られたが、BはこのNo.3と近しいビトラとして廃盤になったのかもしれない。

サイズはRG42×142mm、ビトラ・デ・ガレラ:コロナス(ビトラ・デ・サリダ:コロナ)。
著明なブランド、葉巻のスタンダードサイズであるコロナ、という強みからおよそどこのシガーショップやシガーバーに行っても見かけるシガーだ。
様々なパッケージングが施され販売されたが、現在も出回っているのは25本入り化粧箱と3本入りペーパーパックのふたつとなっている。
リングデザインは3回の変更が行われ、これは2006年から2012年のモンテクリストに使われたひとつ前のデザインだ。

一本取り出して香りを確認する。深いウッドと、柔らかなタバコ香。フットを吸ってドローを確認し、ヘッドをフラットカット。空吸いしてまたドローを確認する。
フットに火を回すと、甘みを含んだ煙が立ち昇る。
喫煙する。糖蜜のような甘みをまとった澄んだウッド。
爽快感。白あん、厚いレザー、若干のホワイトペッパー。ミディアムフル。
灰を落として強喫煙すると、クセのないミントのような清涼感がよりはっきりと立ち現れる。ベースはウッド。コク、うま味ともに申し分ない。



清涼感はやがて淡い白粉へと徐々に変化していき、ウッドが伸びてくる。
素晴らしいアロマを口に含む多幸感。様々なスパイスの利いた料理を頬張っているかのような錯覚。この立体感のある味わいはハバノス特有の物だ。

堪能しているともう終盤だ。
吹き戻すと白粉は収斂し鋭くなり、口腔に炸裂する。そのアフターに流れる優しいウッド。
喫味はやや強めだが、終始穏やかなテイストでそこまで重みは感じない。優等生だ。

50分で喫了。
スタンダードすぎるシガーのためか、これまで無意識に避けていたような気もするが、天の邪鬼をちょっと後悔する(吸わなかったわけではないが)。
これからはちゃんとデスクヒュミドールの一本に加えようと思う。

LABEL : Montecristo