Bolivar Lonsdales '00

2017-10-18

ロンズデールに外れなし……とはよく言っているが、これは本当の事だ。
ある程度の長さを持つシガーはトルセドールに高い技術を要求する。ラッパーは葉巻のパーツの中でも一番高価なものなので、失敗が許されないためだ。
チャーチルやダブルコロナ、ピラミデなどのビトラがそれに当たるが、その高い技術が必要とされるビトラの上級の枠の中で、太さ・長さともにエントリークラスとなるのがロンズデールだ。
そのため、このビトラからはブレンドもよく吟味され、熟練者に任される。これが理由のひとつだ。

ボリバー ロンズデールは1960年代から生産されていたが、他の多くのロンズデールとともに2002年にディスコンとなった。
25本入りドレスボックスで供され、サイズはRG42×165mm、ビトラ・デ・ガレラ:セルバンテス(ビトラ・デ・サリダ:ロンズデール)。同じくボリバーのダリアは「インメンサス」という名前になる。

ラッパーは非常になめらかで葉脈が少ない。コロラド。ほのかにウッドの香りをたたえ、経年変化により手触りは固くなっている。リングは60年代から使われ続けた色調の淡いタイプだ。

ヘッドをフラットカットし着火する。杉の枯れ葉の焚き火の香りが立ち昇る。
喫煙すると、「ボリバーだ!」とすぐに分かるあの暴れん坊な喫味。

 


完全に乾燥した杉の幹を丸ごと燃やす、豪快な焚き火。
ヘビーなレザー。ヘビーなウッド。強烈な強さ。したたるうま味。
陳皮、チョーク、香木。ナツメグのようなスパイシーさを感じる。フルボディ。
しかし、この強い喫味でもガタつきはなく、その味わいの向こうにほのかにじんわりとした甘みが広がっている。ここに辿り着くと、荒々しい表情が急に「端正な」紳士然としたシガーに化ける。その奥深さに舌を巻く。

強喫煙すると金属のような硬質なテイストとともにアロマがはじけ、炭酸感が舌の上で踊る。
中盤は喫味がやや穏やかになり、クルミのような肉感のある味わいが広がる。
とろっとした含みのある煙、焦げた川魚。ビターとチョークが広がり、終盤への予感を感じさせる。

終盤、また力強さを増しペッパーとレザーの波に溺れる。まるで固まりのように質感のある味わい。鋭い刃のような、ボリバーの真骨頂を堪能する。
60分で喫了。
強いボリバーのフレーバーは飲み物がないと厳しい。しかし主張の強いこのブランド、シガーのヘビー層の多くに熱烈なファンがいるのが頷ける。ロンズデールに外れなし……とはよく言っているが、これは本当の事だ。

LABEL : Bolivar 【Aged】