Cuaba Tradicionales '14

2017-11-14

トラディシオナレスはクアバブランドのリリースと同時に発売が開始された一本で、その年は1996年。2012年にディスコンが宣言されたが、現在も普通に生産されている変わり種のひとつだ。
名は体を表す、その名の通り伝統的なビトラ(クアバは全て伝統的なシェイプであるペルフェクトだが)。
25本入り化粧箱で提供される。5本入りペーパーパックも存在したが、2010年に廃止となっている。クアバのペーパーパックはもう全て販売されていない。

サイズは42×120、ビトラ・デ・ガレラ:ファボリトス(ビトラ・デ・サリダ:ペティペルフェクト)。通常のクアバのリングが巻かれる。
その特徴的な形の(現代では特徴的という意味だ。昔は葉巻といえばこの形で、その後のはまっすぐなパレホ、なおかつエレガントな細く長いシェイプが流行ったし、現在では太く短いシガーが流行だ)一本を取り出す。
ラッパーはコロラド。ヘッド側よりフット側が太い径、触れてみるとみっしりとフィラーが詰まっているのが分かる。

フットを空吸いし、ヘッドをフラットカットする。フットは切らない。というより、喫煙するときにフットを切り落とすハバノスなどない。
フットを炙る。甘めの木の芳香が広がる。フットがごく細いクアバの着火には気を配る。
喫煙すると、香り高いウッドのアロマ。ゆるくナツメグ、乾燥大豆、サトウキビ、レザー。
ややミディアムフルよりの喫感で、コク・うま味ともに豊か。アフターのミントのようなほのかな清涼感がくせになる。
ブローすると喫味はよりはっきりと輪郭が現れる。

 


最大径を越える所まで火が回ると、喫味は目に見えて変化する。このわかりやすいテイストの変わりようもクアバの魅力のひとつだ。
径が細くなるにつれてウッド感が強くなり、ボディも一回り強くなる。
ナッティーさが高まり、シェイプとブレンドの妙に思案を巡らせているといつの間にか終盤が見えてくる。クアバを吸っていると、いつも時間の流れがちょっとおかしいのではないかと首を傾げる(そもそも葉巻を吸っている時間は全体的に流れがおかしいのではないかと思うが)。

終盤は喫味が収束して鋭くなる。
レザーが存在感を増し、豆感も強くなる。若干のペッパー、牧草、白墨感。
40分で喫了。
すでに廃盤の宣言がHabanos S.A.から出ているので、いつ市場からなくなってもおかしくない。ぽつりぽつりと消えていっているクアバ、この特別なシェイプを一箱熟成に回し、ひそかに笑みを浮かべたいものである。

LABEL : Cuaba