Sancho Panza Molinos '06

2015-06-03

 

サンチョ・パンサ モリノス。1848年に設立された、素朴なリングと箱蓋裏側の不敵な笑みが印象的なブランドだ。
箱を開けるとロンズデールが整然と並んでいる。
鼻を近づけると感じるのは化粧箱の紙、煙草、湿ったおが屑、わずかな獣臭。

サイズは42×165、セルバンテス(ロンズデール)。ロンズデールは消えゆく定めなのか……!
一本手に取ってよく観察。
個人的に、葉巻は吸う前にラッパーの手触り、ヘッドのキャップの処理、葉脈、フットを確認し、ドローの予測をするために手で握って巻きの硬さをチェックしている。
ラッパーは薄いクラロで、表面はすべすべと滑らかだ。形はやや四角みを帯びている。
溜め息が出るくらい美しいほどではないが、葉脈は薄く綺麗に巻かれている。
フラットカットで空吸いしてみると、ドローはややテンションがかかる程度。このサイズならこんなものだと思う。



着火してひと吸いすると、分厚い古紙の束を燃焼させたような香りが立ち昇った。
それに包まれた、はっきりと感じる糖。和糖だ。
背景には木質感。
喫味はミディアム。優しい味わいだ。

灰のホールドは良好。白みがかった灰を落とし、直接喫煙する。
マイルドなウッディさが、皮付きナッツを従えている。脂っぽい感じはなく、干草のようなテイストもある。
ほのかなコクを持つ煙は飽きがこない。強めに喫煙すると胡椒が少し顔を出し存在感をアピールしてくる。

半分を過ぎると、ムクムクとタバコ感が増大し、木質感を圧倒した。
おっとり、穏やかな様相は急変し、いきなりパレードでも始まったかのように沸き立つ。
ペッパー、深煎りコーヒー豆が撃ってくる。うまい。
ややメタリックな味わいも飛び入り参加し、煙量も増え、終盤だというのに宴もたけなわだ。
祭りはまだ続きそうだが、残り1センチで喫了。70分。
2012年でディスコンは痛いビトラだ。

LABEL : Sancho Panza