Sancho Panza Coronas '03

2015-06-03


化粧箱の底には黒くおなじみのスタンプで「DTF MAY 03」とあるがその下にブルーのスタンプで「REVISAD 09/06」と押してある。なおこのビトラは2006年にディスコンとなっている。

 


サイズは42×142、コロナス(コロナ)。
箱を開けると、薄い小豆色の質素なサンチョの旧リング。一本取り出して確認する。
濃ゆい煙草香のなかに、ほのかに湿った獣臭。レザー。
ラッパーはコロラド・クラロ。ボックスプレスされているが葉巻にダメージはない。
フラットカットで喫煙する。
 
ヘッドを炙ると立ち昇る、米菓子を作っているときのようなふくよかな芳香。
トップノートは小麦、パンのような甘み。次にそこに鞣革、細くスチール、アフターは乾燥させたレモンピール。
ベースはウッディだがじんわりと甘い。ミディアムボディ。コクは深く、旨みは強い。
遠くのほうで揺らめく仄かなスパイスの炎を感じる。
グレーみが強い灰を落とし深く喫煙すると、ビターが閃いた。
 

中盤、木質の甘さは徐々に徐々に心地よいビターへと変質していく。
だがその境界はあやふやで、行ったり来たりしている。ほんの僅かな吸い込みの強弱でそれが反復する。
 
終盤、たおやかなスパイス感が顔を出す。みずみずしさすら感じられる喫感。ここまできても口内に感じる緻密な煙が素晴らしい。どんどんコクが深くなっていく。
焦がしたチョコレート、バタースカッチ、スペイン杉。
70分で喫了。あまりにうまいので残り1センチまで吸って灰皿に置く。最後にコーヒーの塊を残した。
 
シブ好みなコロナ、それがサンチョのコロナではないだろうか。

LABEL : Sancho Panza 【Aged】