Bolivar Gold Medal '09

2018-03-23

半ばホイルに包まれた姿はクラシックなシガーにたまに見受けられる。ボリバー ゴールドメダルもその系譜を受け継ぐひとつだ。この特徴とその味わいから、何度か廃盤からの復活を遂げている。
ゴールドメダルは1960年代に製造が開始され、1992年にいったんその幕を下ろす。
だがその後2004年に復活。終売後、さらに2007年に再度復活し、2011年まで製造が続いた。復活したゴールドメダルはLa Casa del Habanoの名前を冠し、ダブルリングと相成った。

サイズはRG42×165mm、ビトラ・デ・ガレラ:セルバンテス(ビトラ・デ・サリダ:ロンズデール)。10本入りドレスボックスで販売された。
包んでいる金の巻紙はPunch Medalla d'Oroのようなアルミ箔ではなく紙である。ヘッド側を保護しているので喫煙するにはそれを取る必要がある。リングは紙の上からのり付けされているので、喫煙中は何のシガーか分からない。イギリス的、いや現代ではアメリカ的と言うべきか。
ちなみに金紙はセロテープで止められている。いかにもハバノスという感じだ。

紙を取り観察する。ラッパーはやや荒めで葉脈が走るコロラド。香りを嗅ぐと、当然だが紙で包まれていた部分と剥き出しの部分で香りが違う。全体的にオイリー。

ヘッドをフラットカットし空吸いする。ドローに問題は無い。
フットに火を回すと、黒蜜のような香りが広がった。喫煙する。
炒った黒豆、小ぶりの乾燥椎茸、乾いた朽ち木。ビターの中に深い甘みを閉じ込めている。厚いウッドを感じる。甘みは花蜜系だ。フル。
強喫煙するとドライな白粉とセメダイン状のアフターを強く感じる。

 


中盤はドライっぽさがさらに進み、ナツメグ、無糖のアメリカンコーヒー。グアニル酸のようなうま味がきつい。
ブローすると古い鞣し革とさらに白粉が湧き出てくる。唾液が止まらない。

終盤はさらっとオレンジピールのような風が吹き、さらにその中のビターがフォーカスされる。
ブローとサクション(吸引)を交互に繰り返すと、めくるめく白粉とビターの波にさらわれる。ロンズデールに外れなし。
キリッとした喫味を楽しんでいると、もう終盤。50分で喫了。
ボリバーのソリッドな面と見え隠れするメルヘンな面を鮮やかなコントラストで楽しめる名ビトラ。ちなみにこれはキューバから持ち込んで熟成させた箱である。

LABEL : Bolivar 【LCDH】