Cohiba Exquisitos '15

2018-04-12

エクスキシトス、エクスクイジートス、日本での呼び名はこのどちらかだろう。吸ったことがある人はあまりいないコイーバだ。
エクスキシトスはエスプレンディドス、ロブストスとともにリネア・クラシカの一角をなすが、詳しいことはセミナーですでに解説したので割愛する。

サイズはRG33x126mm、ビトラ・デ・ガレラ:セオアン(ビトラ・デ・サリダ:スモール・パナテラ)。
1989年にリリースされ、他のコイーバ製品と同じようにセロファン入りやSBN入りなどいろいろなパッケージングが存在したが、現在では5本入りペーパーパックと25本入りニス塗りボワト・ナチュールの2種のみが販売されている。ボワト・ナチュールはエスプレンディドスのように箱が紙箱に収められている。

箱を開き一本取り出し、香りを確認する。
香り自体は薄いが、太いレザーの芳香は違えようもなくコイーバだ。ラッパーはコロラド。薄いラッパーがたとえ小さくともコイーバは手を抜かない、と無言で語りかけてくるようだ。現行のリングは幅があり派手なので、なんとなくこのシガーにはちぐはぐなイメージを抱く。

ヘッドをフラットカット。フットを炙ると、レザーと甘い芳香が立ち昇った。コイーバだ。
喫煙する。ややビターがはしった焦げた栗の皮。焦げた焼き栗の身。
ウッドとレザーが互いに干渉しあい、そこに栗系の甘さと特有の淡いビターが融合し、サイズからは想像もできない重厚さが奏でられる。ミディアムフル。
煙量も多く、そのテイストも含めてまるでひと回りもふた回りも大きなシガーを燻らせているかと錯覚する。

 


中盤。強喫煙するとホワイトペッパーが面白いように現れる。ツンツンした喫味ではなく、あくまで穏やかだ。ウッドの主張が強くなり、場を支配する。スモーカーは短くなるシガーに焦燥し始める。

終盤。ブローするとふくよかな栗の煙にまみれる。
葉巻は短くなれば当然喫味は強くなる。細みの葉巻だとそれはさらにその傾向は強い。よってこのようなサイズのシガーをうまく喫煙するには技術が必要だ。
別に難しいことではなく、短くなったら浅く吸えば良い。葉巻に合わせて吸い方を変える、機械的に一定のテンポとペースで吸わないのが肝だ。それさえ守れば、素晴らしい時間を与えてくれる。このシガーもそうだ。
フィニッシュまでコイーバの主張は続き、指が熱くなるまで夢を見させてくれる。

25分で喫了。
山椒は小粒でもなんとやら。小兵でもコイーバ、いやハバノスはあなどれない。
一本ひそませておけば、時を選ばずに濃密な時間を与えてくれることだろう。

LABEL : Cohiba