Partagas Salomones '17

2018-10-22

ルシタニアスと人気を二分するパルタガスの長尺がこのサロモネスだ。
登場は2008年、ラ・カーサ・デル・ハバノ限定シガーとしてリリースされた。

サロモネスは元々1995年のコメモラーティブ・シガー「サロモネス・エスパノーラ」としてヒュミドール150台が生産されたが、大きな人気を博したことでLCDHシガーとしてカムバックした。

サイズはRG57x184mm、ビトラ・デ・ガレラ:サロモン(ビトラ・デ・サリダ:ダブルペルフェクト)。10本入りの化粧箱の姿で提供される。
一度見たら忘れられないユニークなこの形、非常にクラシックなビトラだ。ペルフェクトなので両端がすぼまり、フット側の径のほうがヘッド側より大きい。
臙脂色のLCDHダブルリングに、葉脈の少ないコロラドラッパー。表面はオイリーだ。一発でパルタガスだと分かる強いレザーをはらんだ芳香を放っている。

尖ったヘッドをフラットカットで切り落とす。ピラミデと同様、このヘッドは径を変えることによって喫味が調整できる(大きな面とすればそれだけマイルドになるのだ)。そして、喫煙中もリカットによって味わいに変化を与えられる。例えば終盤の喫感が強くなってきたタイミングでリカットにより断面を広くすれば、マイルドに戻せる。これは唾液によりヘッドが詰まりやすい人にも有効だ。

細いフットに火を灯す。

ペルフェクトは形としては最初は極小、そしてだんだん大きくなり、最大径はヘッドよりも大きくなる。そしてそれは徐々に細くなり、終焉する。これによりただでさえ変化に富むハバノスの振幅がさらに大きくなり、より味わいの変化がダイナミックになる。

細くレザーが立ち昇る。スモーキング。
レザーとウッドが溢れ出た。マスタード。
タンニンが歯茎を締め付ける。しかし同時に太い甘さ、ねっとりと粘質な甘さが広がる。径が大きくなるほど甘みは徐々に増していき、一口一口吸い進めるたびにテイストはどんどん変化していく。
最大径に達するころには、絶妙にミックスされたレザーとウッドに羽交い締めにされ、一滴の蜜が垂らされパルタガスにがんじがらめにされている。フル。ボディは太い。喫味はごく強い。ミント、マンゴー、深煎りのコーヒー。

 



中盤はレザーがぐんと伸び、喫感はよりソリッドに変化する。
直線的で伸びやかな喫味はどこまでもはしり、アップテンポの曲を聞いているような感覚に陥っていく。

アーシーがぐっと強まると終盤。チカチカするホワイトペッパーが現れる。ブローすると鼻腔を圧する白粉が噴出する。凄まじいとしか言いようがない。
ここまで強烈な味わいで一本調子ならばとても吸いきれるものではない。だが変化に富んだハバノス、それもペルフェクトというシェイプが非常に効果し、どこまでも飽きさせない。吸い進めるごとにタッチは変化していき、無限のバラエティが喫了したことすら気づかせない。

80分で喫了。
長いシガーが高品質なのは当然のことだが、巻き上げるのにさらに技量を要するこのビトラは非常に丹念に作り上げられていることがわかる。
さて、サロモネスとルシタニアス。あなたはどちらを手に取る?

LABEL : Partagas 【LCDH】