Trinidad Coloniales '13

2018-11-13


 

トリニダ コロニアレスはコロナサイズのトリニダとして、最初に手に取ったトリニダという人が多いのではないだろうか。
2004年にリリースされ、5本入りペーパーバックは2017年にディスコンとなったが、シガーは現在でも販売され続けている。パッケージはトリニダの特徴である24本入りニス塗りSBNだ。


サイズはRG44x132mm、ビトラ・デ・ガレラ:コロニアレス(ビトラ・デ・サリダ:コロナ)。ピッグテールがただものではない感を出しているので、普通のコロナとは簡単に区別できる。

外見の特徴はピッグテールとなめらかなラッパーだ。以前にも触れたがHabanos S.A.がコイーバの上を行くために満を持して送り込んだハイブランド、トリニダ。現在では売上のポートフォリオに占める割合は3%にも満たないブランドとして戦略が失敗した感が否めないが、そのプライドは崩れない。豪奢なラッパーこそがトリニダにはふさわしい。

その象徴たるピッグテールを切り落とし、フットに火を灯す。
トリニダ特有の、上品ながらはっきりとした主張のある、甘いウッドが立ち昇る。
ベースは広いウッド、甘み。その上に立体的に様々な味わいが積層し群をなしている。
クルミ、白粉、ライチ、ミルクチョコレート。
非常にスムースな煙で、引っかかるところがまったくない。しかし淡白というわけではなく、ゆるりと絡め取られるような喫感。ミディアム。

 


 


ほんのりと小気味よいビターが立ってくると中盤。カラッとした喫感がスモーキングを後押しする。ブローするとカシューナッツと白粉が爆発し、一種の清涼感を感じる。
キノコのスープ、若干の柑橘感。直線的なうまみ。

終盤はナッツがひときわ大きくなる。
ビターも加速し皮付きアーモンドの体をなす。
終始上品な形を崩さず、無茶な喫煙の仕方にもきっちり付き合ってくれるおおらかさは特筆する。このビトラではなかなかない。
最後にレーズンのような旨味と酸味、クリームのような甘みを残した。
50分で喫了。

静かにシガーと対話したいとき、コロナを求めるなら迷わずコロニアレスを手に取る。
コロナはハバノスのラインナップから姿を消しつつあるが、このシガーがそうならないことを願うばかりだ。

ちなみにスペイン語は末尾の「d」は発音しない。トリニダッドは日本語読みである。

LABEL : Trinidad