キンテロは現在ではすべてのビトラがショートフィラー・ハンドメイドで作られている。
ショートフィラーだがいわゆるシガリロではないので、ICTではなくHabanos S.A.の管轄となっている。もちろん、箱には「Totalmente a mano」の表記がある。

サイズはRG50x115mm、ビトラ・デ・ガレラ：コンチャNo.2（ビトラ・デ・サリダ：ペティロブスト）。このシガーのみのユニークなビトラだ。
2012年から生産されており、現在は5本入りペーパーパックとその5箱入りカートンボックスで提供されている。

箱から一本取り出し確認する。
リングは2018年から刷新され、ギラッとした現状のデザインとなった。
ラッパーはボコボコで縦横に葉脈が走り、キャップは糊付けがあまく乖離しかけている。色はコロラド。ロングフィラーシガーとの明らかな違いが見られる。
つまんだ感覚は柔らかく、ショートフィラーの存在を確かに感じられる。香りは藁と紙の風合いが強く、タバコ感はあまりない。
ヘッドをパンチカット。通常ならフラットカットだが、このシガーはリングゲージが大きいショートフィラー。カット面から喫煙中にフィラーがこぼれ落ちてくるのを防ぐため、今回は経の大きいパンチカッターを使う。

ドローを確認するまでもない。ショートフィラーに硬いドローは原理的に存在しない。
フットに火を回す。
甘みのある煙が立ち昇る。
喫煙すると、若干粘度を感じる甘さ。古いい草、広葉樹の枯れ葉、ほのかなレザーのニュアンス。
喫感は強い。キンテロはミディアムなブランドだが、口腔に感じるタバコ感はガツンとくる。

ショートフィラーは燃焼が早い。
中盤は甘さがより強くなり、ドライなレザー感も幅広くなってくる。
灰はぽろぽろ崩れ、吸気で湿気を吸ったシガーは柔らかくなる。アーシーっぽさが出てきた。

終盤は喫味がさらに強くなる。ストロング。
レザーとタバコ感が深まり、奔流のようになる。コーヒー。レーズン。

60分で喫了。
ショートフィラーは強烈なタバコ葉を吸いやすくするため、細かく粉砕する意味合いがある。
一本で深い満足感を得られる。