Montecristo Robusto Edicion Limitada 2006

2019-07-23

2000年にHabanos S.A.は今までにないシリーズのシガーを生み出した。
その年限定発売のシリーズ、エディシオン・リミターダ(リミテッド・エディション)だ。最初のラインナップに含まれていたのはモンテクリスト ロブスト。それが2006年にリバイバルとなった。
2006年のモンテクリスト ロブストがそれに当たる。

サイズは同じRG50x124mm、ビトラ・デ・ガレラ:ロブストス(ビトラ・デ・サリダ:ロブスト)。2019年現行のふたつ前のモンテクリスト リングに「2006」表記のELダブルリング。
25本入りSBNで提供されるのが2000年との違いだ。2000年は箱がドレスボックスである。

シガーをよく観察する。
ELなので2年熟成させてから巻かれたラッパーはマデューロ。
表面の陰影が美しく、ひとつの景色をなしている。オイルでなめらかだ。
香りは重々しい黒土とウッド。

10年以上経ているので、ドローに問題がないのは吸わなくてもわかる。フラットカット。
ただ、古い個体は保湿力の低下からカット時の粉くずが多いのでちゃんと取り除く。
フットに火を回すと、澄んだウッドと熱したザラメが浮かんだ。喫煙する。

穂先の鋭いウッドが味覚を貫く。バランスされたビター、フェンネルのような香辛料。
焦げた醤油のようなコク、燃える松の葉。パワフルなスモーク。ミディアムフル。

10年未満のものはビンテージとは呼ばずエイジドとなるが、13年経ったこのシガーは充分にビンテージの風格を備えている。
葉自体は痩せているがそれは失ったということではなく、肉付きに隠されていた骨太の骨格がむき出しとなりダイレクトな喫味をさらけ出している。

 


ポン菓子のような甘みと穏やかなアロマを楽しみ、一度灰を落としてから強喫煙してみる。
鮮烈な焼け土が吹き荒れ、アフターにじんと響くようなビターを残す。

中盤は黒糖が現れ、分厚く君臨するオークと絡まり無辺大の奥行きを見せる。
うまみは強力になり、太いリングゲージのロブストが送り込む豊かな煙量にスモーカーはどんどん前のめりになる。ビターの中にほのかな甘味が強調され、非常に端正なイメージ。

リングを外して終盤、ペッパー系の香辛料が顔を出す。
それはみるみる存在感を増し、ビターとウッドの三位一体となり脳を侵していく。
ビンテージ特有のドライな喫感がさらりとした余韻を、しかししっかりと腰のあるテイストを示す。オーク材はますます炎を吹き上げ、静かな雪の夜に暖炉を飽かずに眺めているような情景が浮かぶ。

60分で喫了。
ELのクオリティの高さはいうまでもないが、それを適切な環境で熟成させたときのその仕上がり。
期間としてもまさに吸い頃を迎えたこのシガーは探し求める価値のある一本だろう。

LABEL : Montecristo 【Aged】 【Edicion Limitada】