Juan Lopes Malecon 2015 ER Andorra

2020-09-14

アンドラはフランスとスペインの間にあるミニ国家だ。アフリカっぽい響きの国名だが、このシガーはヨーロッパ向けのエディシオン・レヒオナルとなる。
マレコンはキューバ・ハバナの一番大きいメインストリートで、新市街と旧市街をカリブ海岸沿いに結んでいる通りの名だ。
ファン・ロペスからその名を冠したマレコンは20本入りのドレスボックスが2500箱生産された。
サイズはRG55x130mm、ビトラ・デ・ガレラ:モンテスコ(ビトラ・デ・サリダ:ロブスト)。ワイドチャーチルと同じビトラだ。このビトラはダブルリング以外には使われていない。


ラッパーはコロラド・マデューロ。オイリーでテカテカだ。香りは襖と濃いタバコ香。
大きなヘッドをシザーでフラットカット。このリングゲージはドローを心配する必要はない。
広大なフットに火を広げる。冬の夜の大きな焚き火。ウッドが広がる。
喫煙する。アーモンドとザラメ。非常にわかりやすい味わいで、その本物を口の中に放り込んだような錯覚を覚える。そこにほんのりビターをまとわせている。
椎茸やおがくずが織り交ざった、ウッドの複雑なうま味。コニャックのようなコク。ミディアムフル。


中盤は甘みがより強くなる。口腔に強く糖分を感じる。サトウキビ由来のやつだ。
カステラのジャリジャリした感触まで鮮明にイメージできる。そこに大きくなり小さくなり、近づいたり離れたりウッド、ナッツがたゆたう。

ダブルリングを外して終盤。
ウッドが伸び、ガッチリとした樫の木を思わせる。
ブローすると鮮烈な青さが駆け抜ける。今までのふくよかな喫感をひっくり返すインパクトを楽しめる。
ややメタリックなトーンが現れ、古い手紙の束、コーヒー。アクセントに小気味いい極微量のペッパーが走る。

60分で喫了。
太いリングゲージの豊かな煙量に巻かれ、澄んだウッドを心ゆくまで楽しめる。
この豊満さはERならではのものだ。

LABEL : Juan Lopez 【Edicion Regional】