La Gloria Cubana Paraiso 2014 ER Caribe

2021-02-18

カリブ海地域、カリビアン。そそる語感である。
ラ・グロリア・クバーナ パライソはカリブ海地域限定のエディシオン・レヒオナルだ。
キューバの栄光をあまねくカリブ海に、ということなのか、パライソは初のカリブ海地域限定シガーということでバハマやドミニカ、ハイチやアンティグア・バーブーダなどで販売された。
しかしカリブ海地域で最も大きい島、肝心のキューバでは販売されなかった。キューバにはキューバERというものがあるので、そこは線引された格好だ。
ちなみに日本のみなさんが想像する「キューバ料理」は「カリビアン料理」である。本当のキューバ料理は料理の基準に達していない。

閑話休題。
パライソはRG52x135mm、ビトラ・デ・ガレラ:エドムンド(ビトラ・デ・サリダ:ロブスト)。モンテクリスト エドムンドなどと同じビトラだ。25本がSBNに収められ、4000箱が生産された。
ラッパーはコロラド。厚みは薄く、油気も薄め。大ぶりのクバーナのリングとERのダブルリングが燦然と輝く。
香りはウッドとタバコのバランスが取れている。
ヘッドをフラットカット、ドローチェックを済ませフットに着火する。

立ち昇るウッドの芳香。白樺の焚き火。
喫煙すると、ウッドを背景にレザー、濃いダージリン、ほのかに甘草。柏餅。
この青さを残した葉とほのかな甘味のコンビネーションがキーとなっている。
うま味というより甘みが走り、コクにもそれが作用して粘度の高い、とろっとした喫感となっている。ミディアムライト。


中盤はレザーが太くなる。
着火した直後よりもより奥行きが増し、立体感が広まる。
甘さより草感(グラス)に傾き始め、躍動するような若々しい喫味が楽しい。
草を用いた和菓子感はますます強まり、葉巻という感じが全くしない。緑茶が合いそうだ。

終盤はさらにグラスが立つ。
が、薄いというわけではなく、ふくよかなタバコ感と相まって微妙に変化し続ける振幅に飲まれる。
ブローすると白粉、そして揮発感が弾け爽快な喫味が楽しめる。終始豊かな煙量にまかれ、60分で喫了。

終始穏やかなシガー。華やか、というよりも控えめな中に小さな華やかさが散りばめられ、それが逆に強調されるのが趣がある。
サイズもたっぷりしているので、腰を据えて葉巻と対話する、というような喫煙にぴったりだ。
このブランドはスタンダードラインナップの入手が非常に困難で、限定品との比較も難しいがブランドの特性をぜひ掴んでほしい。

LABEL : La Gloria Cubana 【Edicion Regional】